「初等教育算数能力向上プロジェクトフェーズ2」成果報告セミナーの開催

令和7年9月30日
        

9月30日、小川書記官は、赤松大使の代理として、ンダオ国民教育省事務次官主催の下開催された「初等教育算数能力向上プロジェクトフェーズ2」成果報告セミナーに増田JICAセネガル事務所長と共に出席しました。 
 
1 2015年より日本の支援により実施されてきた「算数教育改善プロジェクト(PAAME)」の後継プロジェクトである「PAAME2」(2020-2025年)は、全国約190万人の生徒と5万4千人超の教員を対象に、子どもたちの論理的思考力を育む国家事業です。成功の鍵は、単なる教材配布に留まらず、教員研修に加え、保護者や地域リーダーが一体となって学びを支える「コミュニティとの連携」を築いた点にあります。
 この取り組みにより、生徒の算数平均正答率はプロジェクト未導入地域を大幅に上回る16ポイントの上昇を記録しました。中には修了試験の合格率100%を達成した学校もあり、セネガルの「人的資本開発」に大きく貢献しました。
 
2 今次式典において、「算数教育プロジェクトがセネガル政府のもとで子供たちの論理的思考力を育む大きな成果を上げたことを誇りに思う。日本は、この成果を後継プロジェクトにつなげ、同国の人的資本開発に貢献し続ける。」との赤松大使のメッセージが伝えられました。
 
3 これに対しンダオ事務次官は、日本の長年の支援に感謝を示した上で、PAAMEの成功は幅広い関係者の尽力によるものであり国家ビジョンに合致すると高く評価。この成果を小中学校教育につなげる後継プロジェクト「PAAME MG」を2025年11月に開始し、成功を発展させていくと表明しました。
 
4 また、増田JICA事務所長は、成功要因である「学校・コミュニティ・教育監督機関」の連携を恒久化するため運営費の予算化を提言し、制度化への取り組みを評価する一方、プロジェクト完遂に向けて資金の確保が重要である旨を強調しました。