メールマガジン8月号

令和4年8月3日
 皆様お元気ですか。
 最近雨期に入り、土砂降りの雨の後、街中いたるところで洪水になり、あちこちで中古車が立ち往生しているのを見かけます。ダカールは雨に弱いですね。
 
 本使は2月に着任しましたが、赴任前に京都精華大学を訪問し当時のサコ学長(マリ出身)にお会いしました。その際サコ学長から「大使は西アフリカで日本のアニメや漫画の人気があることをご存じですか」と聞かれたので、本使は驚いて、本当ですか?と聞き返しました。風土も社会も日本と全く異なる西アフリカで日本のアニメや漫画が受け入れられるのだろうか?とその時は半信半疑でした。
 
 その後、サコ学長が言われたことを実感する機会がありました。
 5月の終わりに、Planete A という団体が日本のアニメとTVゲームのプロモーションのためのイベントをダカールで開催したのですが、大した前宣伝が無かったにもかかわらず当日600人以上の若者達が集まりました。本使も会場に行きましたが、日本のアニメクイズやアニメソングのカラオケに多くのセネガル人の若者が興じているところを見て驚きました。
 これだけではありません。先々週、CESAGという大学でジャパン・フェスティバルが開催され、招待されて行ってきましたが、同じです。100名ほどの大学生達が日本のアニメや漫画、更には合気道や剣道、空手といった日本の武術のデモに盛り上がっていました。
 8月の終わりには京都精華大学のチームが来訪して、セネガル人にマンガ教室を開くそうです。これもまた盛り上がることでしょう。
 
 このように日本のポップカルチャーはダカールにおいて広く若者に受け入れられています。そしてこのことは今後の日セネガル関係を考える上で重要な意味を持つと考えています。
 
 以前も申し上げましたが、セネガルに進出しようとする日本の企業にとって仏語は大きな障壁です。この言葉の障壁を乗り越えるために、特に最近活動が活発になっているスタートアップの日本企業にとって、日本語を理解できる、少なくとも日本での生活経験のあるセネガル人の人材を確保することが成功のカギになっているようです。日本政府はこれまで奨学金留学生やABEイニシアチブ等のスキームを利用として多くのセネガルの若者を受け入れてきましたが、彼らは日本企業が求める人材の基盤となっています。
 日本のアニメや漫画はセネガルの若者達に日本という国に関心をもってもらうための良い入口です。日本に関心を持つ若者が増えれば増える程、様々な分野で青年交流が活発化し、中長期的には知日・親日のセネガル人の人材の層が厚くなっていくことでしょう。セネガルの青年達に少しでも日本に関心を持ってもらうことは大使館の重要なミッションンと考えていますので、引き続きこうした文化イベントにも積極的に参画して行こうと思います。
 
 さて、今月27日、28日にチュニジアにおいてTICAD8が開催されます。現在その準備が本格化しています。来月号はこのTICAD8の成果について本使の考えを皆様に報告させて頂こうと考えています。