メールマガジン2023年11月号

令和5年11月3日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2023/11/3 第18号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
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1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
 11月に入ってもまだ暑い日が続きますね。一方、海水温は下がってきていますので長かった雨期ももう終わりです。もう少しで快適な気候になると思います。
皆様如何お過ごしでしょうか。
 
 本使は1年半少しセネガルに勤務していますが、昨年と比較して、ダカールの暮らしの中で2つの変化を感じます。
 1つは洪水です。昨年はスコールの後は必ず街中で大洪水になり大渋滞が起きたのですが、今年は雨も少なかったせいか大きな洪水や大渋滞が起きませんでした。本使の住むファン地区では昨年から水はけをよくするために道路の側溝の掘り返しが進められていたのですが、そのような対策が奏功したのかもしれません。
 また、昨年は毎日のように通勤の往来時に湾岸通りが大渋滞になっていたのですが、今年は、渋滞はしますが昨年ほどの大渋滞にはなりません。その背景はよく分かりませんが、ダカールの中央を走ることになる高速バスの道路整備作業が進んで、昨年より通勤に使える幹線道路が増えているからなのかもしれません。
 いずれにせよ昨年に比べてダカールの生活に改善が見られることは大変結構なことだと思います。
 
 10月20日に、ダカール大学で「JICAチェア」というイベントがありました。「JICAチェア」というのは明治以来の日本の発展の経験を今日発展しつつある途上国に伝えていくことを目的にしています。今回のダカール大学でのイベントにはアフリカ経済の専門家である京都大学の高橋先生が来られて、日本の近代化において革新的起業家達が果たした役割について講演をされました。豊田佐吉や松下幸之助といった若き天才技術者達が起業し、産業を興し、日本の経済発展を支えた歴史について丁寧に話をして頂きました。
 本使は常より、「大した天然資源を持たず人材によって国を興した日本の経験は資源を持たない多くのアフリカ諸国の発展のモデルになる」と喧伝しているので、高橋先生の講演は我が意を得た感じを持ちました。
 
 日本の経済協力の柱の一つは青年協力隊や専門家に代表されるように日本の技術や経験を伝えていくことにあります。また、本使が今進めているセネガルからの日本への留学生や技能実習生の派遣拡充も、セネガルの若者に日本で技術を習得させ経験を積ませることを通じて、ゆくゆくはセネガルの経済発展に貢献してもらいたいとの思いがあります。
 私達の協力によりセネガルの発展に貢献する有意な人材が一人でも多く育って欲しいと願っています。
 
 日本人の有志の方々が、来年6月に、過去に悲しい歴史のある世界遺産のゴレ島から全世界の子供達に向けて平和と幸せの祈りを発信するための音楽祭を開催する計画を進めています。本日(11月3日)、そのゴレ島の音楽祭につながるプレイベントとして広島において平和の祈りの音楽祭が開催されました。悲しい歴史を持つ広島から未来を担う子供達によって平和の大切さを世界に向けて発信する良い機会となったことでしょう。
 この広島からの子供達のメッセージは来年のゴレ島音楽祭に引き継がいくことになります。
 
 
2 大使館からのお知らせ
○2023年11月、12月の休館日のお知らせ
11月 1日 万聖節
12月25日 クリスマス


3 寄稿  ~ジャン・アントワーヌ・ジュフ駐日セネガル大使~
 私は、2010年から2013年までセネガル大使館の参事官として日本で勤務しましたが、外交官としてのキャリアにおいてまたとない経験でした。その10年後にこの美しい国に大使として戻ってこられたことは大変光栄なことです。
 
 セネガルと日本との協力の戦略的重要性という観点から私の駐日大使への任命を見ると、マッキー・サル・セネガル共和国大統領閣下の大きな信頼の表れだと思います。
 
 アイサタ・タル・サル外務・在外自国民大臣(当時)によって、私は地域統合局長、アフリカ局長、そしてECOWASセネガル事務所長を7年以上務めた後、2020年12月に官房長に任命されましたが、要職への任命は大臣からの信頼の証です。
 
 現外務大臣であるイスマイラ・マディオール・ファル大臣の指揮の下、私は、ダイナミックな同僚たちとともに、控えめな性格の自分に課せられた期待に応えるべく、たゆまぬ努力を続けてまいります。
 
 2023年8月に駐日大使に就任するにあたり、セネガルと日本の協力の聖火を高々と掲げた輝かしい先人たちに思いを馳せます。彼らに敬意を表します。そのうちのお二人、私の東京での恩師であるブナ・セム・ジュフ大使と、最近逝去されたガブリエル・アレクサンドル・サール大使との思い出は深く心に刻まれています。
 
 日本のある高官から、私の2度にわたる東京滞在の間に起きた変化について尋ねられたとき、私は東京オリンピック2020によって首都の様相が一変したことに言及しました。新たなインフラ、堂々とした真新しいビル、新しいタイプのタクシーなどが誕生していました。しかし、伝統と現代性、そして未来的な建築物が調和したこの国の魅力はそのまま残っています。
 
 2023年10月5日、厳粛な式典の中で、私はマッキー・サル大統領から託された信任状を天皇陛下に奉呈しました。この日から私の正式な任務が始まりました。豊かでダイナミックかつ多面的な協力関係に象徴されるセネガルと日本の強い絆をより強固なものにしていくのが私の任務です。
 
 これに先立ち、私は政府や議会関係者、民間企業の方々への表敬訪問を行いました。その折、私はセネガルにおける日本の存在感、また逆に日本におけるセネガルの存在感を高めるため、経済・貿易分野と人材開発の分野において両国間協力を強化することを強調しました。
 
 思い起こせば、「日出ずる国」と「テランガの国」は、セネガルが国際的な主権を獲得してからわずか数か月後の1960年10月4日以来、外交関係を結び続けています。日本はセネガルの独立を最初に承認した国のひとつであり、この事実により日本と日本人がセネガルに対して抱く友情と尊敬の念が如実に示されています。
 
 セネガルと日本の協力がこれほど順調に進んでいるのは、両国の外交団や第三者機関のイニシアティブに加え、二国間協力プロジェクトやプログラムの立案・実施において日本政府の実務部門であるJICAが主導的な役割を果たしているためでもあります。
 
 政治レベルでは、セネガル・日本間のハイレベル公式訪問に示されるように両国の指導者は互いに深い尊敬の念を抱いています。
 
 2022年12月、岸田文雄首相の招待によりマッキー・サル大統領は、日本を公式訪問しセネガルと日本のパートナー関係を戦略的なレベルにまで高め、より強固なものにしました。
 日本の継続的な支援により、セネガル政府はすでに農業、水、漁業・養殖業、保健、教育・職業訓練、人道支援、平和と安全保障といった戦略的分野でかなりの進歩を遂げていますが、新たな、そしてさらに有望な展望が生まれつつあります。
 
 、サル大統領の訪日は、経済と直接投資分野におけるパートナー関係の強化という新たなページを開くものでもありました。これを受け、在日本セネガル大使館は、セネガルおよび日本のすべての関係者と緊密に協力しつつ、昨年12月の大統領訪問のフォローアップを行ってまいります。より多くの日本の投資家を惹きつけるべく、また日本におけるセネガル製品の需要を喚起すべく、セネガルでのビジネスチャンスを拡大することに重点を置きます。
 
 これを実施するにあたっての主な課題は、日本の民間部門に言葉の壁や地理的距離によってもたらされる障害や、アフリカにおけるリスクに関する誇張された認識を再考してもらうことにあります。この点で、今日、このような挑戦への意欲がかつてないほど共有されていることは喜ばしいことであります。
 
 2020年2月、中谷真一外務大臣政務官(当時)率いる経済代表団は、関係者にとり重要なマイルストーンとなりました。その際、日本側の要望を受け、セネガル政府は日本企業専用の経済特区を提供する意向を示し、サンジャラ市は土地を提供する用意があることを明らかにしました。
 
 経済特区とは、特定の法律や規制、行政上の自由裁量、優遇税制等の特別な待遇を提供することによって、新たな外国投資を誘致することを目的とした多機能地域のことです。国連工業開発機関(UNIDO)東京及びダカールの日本大使館と連携し、日本からの対セネガル投資、特にエネルギーおよび関連分野への投資を促進するためのウェビナーが開催されました。
 
 セネガル新興計画(PSE)の実施により、セネガル経済の見通しは明るいものとなっています。さらに、近年、石油・ガス鉱床が発見されたことも見逃せません。2024年第1四半期に予定されているこれらの資源の開発は、他のすべてのセクターに波及効果をもたらし、セネガル経済の構造転換を確実にするはずです。
 
 このダイナミックな動きを支援し、セネガル経済をより魅力的なものにするため、セネガル政府は投資促進関連法を制定し、2013年からのビジネス環境・競争力改革プログラム(PREAC)の実施を通じて、さまざまな措置を講じてきました。
 
 日本とセネガルの二国間関係を戦略的経済パートナーシップのレベルまで引き上げるという共通の野心に基づき、私はここで、両国の経済・貿易関係の深化のためにすべての関係者と協力することを約束したいと思います。それは以下の活動から成ります。

1- セネガル・日本の双方の当局による公式訪問、および経済視察訪問やビジネスフォーラムを通じた両国の経済事業者間の会合を進めていく。
2- 両国の経営者団体(経団連・経済同友会、セネガル経営者評議会/セネガル雇用者連合等)間のパートナーシップを促進する。
3- 日本の投資家が、特に2024年のガス・石油開発に伴うビジネスチャンスをつかむことを支援する。
4- 経済特区への日本企業の投資を奨励する。
5- 2026年のダカール・ユース・オリンピックや2025年大阪万博(関西万博)の開催における協力を含め、文化・学術・スポーツ交流を強化する。
6- 2022年8月27日と28日にチュニスで開催されたTICAD 8の日本政府のイニシアティブを活用する。日本はそこで保健、農業、食糧安全保障、グリーン経済、教育、職業訓練などの戦略的分野において、アフリカのために今後3年間で300億米ドル規模の官民資金の投資を宣言。
7- セネガル・日本の自治体の姉妹都市提携、日本の各地域への経済ミッションの派遣、フォーラムへの参加、会議の開催などを通じて、地方分権型の協力を促進する。
8- 在日セネガル人の経済的・文化的イニシアティブを支援する。
 

4 領事便り
<在留届の登録内容を確認してください>
 本メルマガは在留届を提出している方にお届けしています。
 在留届の住所や電話番号、家族構成などに変更はありませんか?
 大使館は、非常事態の際、在留届に登録された情報で連絡を取ります。間違った電話番号が登録されていたり、古い住所が記載されたままということも多いので、一度内容を確認してみてください。
 ・オンライン在留届(オンラインで届出した方のみ確認可能)
  https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
  上記URLへアクセスし、
   ・「変更届、帰国・転出届を提出する」をクリック
   ・「利用者IDをお持ちの方」をクリック
   ・「利用者ID(メールアドレス)」と「パスワード」を入力
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   ・登録内容が表示されますので、変更がない確認してください。
 

5 政治・経済
○伊澤大使のカザマンス出張
10月3-5日、伊澤大使は、カザマンス地方の安全情報の見直しを検討するために、現地視察を実施しました。現地では、ジガンショール州知事、地雷除去センター所長、軍第5管区司令官らと意見交換を行いました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01309.html

○伊澤大使によるアフリカの安全保障セミナーへの出席
10月11日、伊澤大使は、Timbuktu Instituteが日本大使館と協力して開催するアフリカの安全保障セミナー「多面的リスクに直面するコミュニティのレジリエンス強化:サヘルに対する日本のアプローチからの教訓」に出席しました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01311.html

○令和5年度食糧援助に関する交換公文の署名と交換
10月19日、バンジュール市の外務・国際協力・在外ガンビア人省において令和5年度食糧援助(2.5億円)に関する交換公文の署名と交換が行われ、式典に広瀬参事官が出席しました。
(式典当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01318.html

○伊澤大使によるJICAチェアへの参加
 10月20日、伊澤大使は、ダカール大学で、高橋基樹京都大学教授がゲストに招かれた第二回JICAチェア(日本研究講座設置支援事業)へ出席しました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01320.html

○第9回ダカール・フォーラムの開催
11月27、28日、ジャムニャジョの国際会議場(CICAD)にて、第9回ダカール・フォーラムが開催されます。

○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
 

6 広報・文化便り
○伊澤大使によるCESAGでの日本語教育コース開講式への出席
10月13日、伊澤大使はCESAGで開始される日本語教育コースの開講式に出席しました。本コースは、セネガル青少年・起業・雇用省、CESAG、Lastre事業協同組合の協力により実施され、受講生は日本で就労することを目指します。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01315.html
 
○第30回柔道大使杯の開催
10月28日、第30回柔道日本大使杯が開催され、伊澤大使は参加者の健闘を称えました。さらに入賞者へメダルの授与を行いました。
(大会当日の様子:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02VEJdWq7ezRE2t49KnsEQqe61PEqCuFFnWHUYWwg8U9feVoPKS68uGxfnapuu8AgMl&id=100078921276471
 
○セネガル柔道連盟への外務大臣表彰の授与
日本外務省は、セネガルにおける日本文化の普及への功績を称え、セネガル柔道連盟に外務大臣表彰を授与しました。10月28日、伊澤大使より同連盟会長に賞状が伝達されました。
(式典当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01322.html
 
○空手大使杯の開催
11月18日、2023年空手大使杯が開催される予定です。詳細は決定次第当館のSNSにてお知らせしますので、空手に関心のある方は、ぜひ足を運びご観戦ください。
 
○第36回俳句コンクールの作品募集
第36回俳句コンクールの作品を募集しています。日本文化への理解促進を目指して当館が1979年から開催してきた本コンクールには、例年、セネガルのみならず世界中から多数の応募が寄せられています。
フランス語による募集案内は以下のリンクのとおりですので、多くの方々にご応募いただけるよう、是非お知り合いの方々にもご案内いただければ幸いです。
(フランス語案内)https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01249.html
(日本語案内)https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01250.html
・俳句形式:テーマは自由。おひとり1作品(フランス語)。
・応募資格:制限なし(全ての方が応募できます)
・提出期限:2023年11月19日
・応募先:以下の当館広報文化班宛てにメールまたは郵送ください。氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスを記載願います。
(1)Ambassade du Japon au Senegal – Bd Martin Luther King (ex Corniche Ouest) B.P. 3140 – Dakar – Senegal
  1. E-mail : mouhamadou.cisse@dk.mofa.go.jp 
・受賞者の発表:2023年12月(予定)(受賞者につきましては当館より連絡いたします。)
・副賞は現在調整中です。
・お問い合わせ先:
在セネガル大使館 Tél. 33 849 55 00 – Fax : 33 849 55 55
E-mail : mouhamadou.cisse@dk.mofa.go.jp
 
○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがあるますので、ぜひ定期的にアクセスしてみてください。
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○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。
 
○当館のSNSアカウントは以下のとおりです。日・セネガル関係強化のため、是非ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をお願いいたします。
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○参考ホームページ
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○発行:在セネガル日本大使館
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