メールマガジン2024年4月号

令和6年4月3日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2024/4/3 第23号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
***********************
 
1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
日本(東京)では例年より遅く桜が咲き始めましたが、ここセネガルでは3月後半から例年になく寒い日が続きました。皆様如何お過ごしでしょうか。
 
4月2日にマッキー・サル大統領が退任し、バシル・ジョマイ・ファイ大統領が誕生しました。44歳という若い大統領が生まれました。
 
(1)大統領選挙
先月の大統領選挙に関して個人的にいくつか思うところがあります。
先ず、セネガル国民の大統領選挙に対する関心の高さに感心しました。セネガル人は政治好きというふうに一般的に言われていますが、この1ヶ月に本使がお会いした多くの方々が老若男女を問わず選挙について自分の考えをしっかり持っていました。また、街の中でも、ラマダン中で食事をとれないという厳しい条件下にもかかわらず、あちこちで集会が開かれて活発な意見交換が行われていました。
次に、選挙報道です。選挙運動の期間中に数社のTV局を視察する機会がありましたが、招かれた候補者に対して政治評論家が意見を述べ、視聴者から質問が出され、やりとりを会場の聴衆が聞いているといった感じで日本の選挙でもおなじみの光景がありました。技術的には先進国の報道のように全てがオンタイムで進むほどのきちんとした報道体制ではありませんが、選挙報道の基本的な形がありました。最初は仏語で始まるのですが、議論が白熱するとウォルフ語になってしまい、やりとりの内容が聞き取れなかったことが残念でした。
最後に、変革に向けた国民の民意の強さです。どんな選挙でも選挙の予測は難しいのですが、今回の選挙について本使がお会いした多くの方々が難しい選挙だと述べていました。バ候補は直前まで首相職を務めてサル大統領の支持を得て組織力を活用していたのに対して、ファイ候補は人気はあるものの選挙戦の途中まで拘禁されていて自由の身ですらなかったため、客観的には資金力や動員力でバ候補が圧倒的優位に立っていました。組織力VS人気といった構図になっていて選挙結果を予想することがとても難しかったです。結果はファイ候補の圧勝でした。バ候補は現職の強みをいかして各地で魅力的な公約を表明していましたが、こうした政権側による強い働きかけにもかかわらず、最後は国民多くが政治や社会を変えることを選びました。
 
今回の選挙はアフリカの地でも民主主義と「法の支配」がきちんと機能していることを世界に示したと思います。
 
(2)大統領就任式
2日に、ジャムナジョの博覧会会場を利用してファイ大統領の就任式が行われ、本使も招待されました。近隣アフリカ国首脳、外交団、政治行政関係者、報道陣、支持者等3000人程が参列しました。会場の外にも支持者が集まりましたが、場所がダカールから離れたジャムナジョであったため、支持者が大挙して押し寄せたわけではなく、大きな混乱はありませんでした。
憲法評議会議長が式を主催し、大統領が宣誓をすると会場から歓声があがりました。その後、大統領の就任演説が行われ、新大統領は参列した各国首脳と一人一人挨拶をしましたが、各国首脳と並ぶとファイ大統領の若さが際立っていました。
前憲法評議会議長は冒頭演説で大統領選挙においてセネがルの民主主義と「法の支配」が強化されたとの意義を強調し、また、ファイ大統領は憲法を守り国家の安定と発展のために努めていくとの決意を表明しました。
セネガルにおいて民主的プロセスを経て国民の強く支持する若い大統領が誕生したことは、政治的不安定に苦しんでいるアフリカの周辺地域に好ましい影響を与えることになるだろうと期待します。
 
(3)ファイ新政権
本3日にも組閣が行われ政権が本格的に立ち上がります。
新政権は前政権の活動を見直しながら政策を進めるでしょうから、重要な問題について政策変更が行われる可能性があります。その影響はセネガルで活動している日本の企業にも及ぶ可能性が排除されません。大使館としては、積極的に情報収集に努め、皆様の当地での活動に大きな影響が出ることの無いよう対応していきたいと思います。4月9日に日本企業連絡会を開き、新政権に対する企業の皆様の見解や要望をお聞きする予定です。ご関心ある方は是非参加してください。
 
 
2 大使館からのお知らせ
○2024年4月、5月の休館日のお知らせ
  4月1日  イースター翌月曜日
  4月4日  独立記念日
  4月10日 ラマダン明け祭日(変更の可能性あり)
  5月1日   メーデー
  5月9日  キリスト昇天祭
  5月20日  聖霊降臨祭翌月曜日
 
 
3 寄稿  ~ニングもえ子 AFRICULTURE~
 
セネガルの伝統文化と生きる
 
セネガルとつながるプラットフォーム「AFRICULTURE」(アフリカルチャー)を主催する
ニングもえ子と申します。
 
(1)私とセネガル
初めてセネガルを訪れたのは2000 年春。
ストリートダンスで仕事をしていた頃、ダンスのルーツはどこだろう?アフリカか!と思い立ってでかけた国がセネガルでした。当時はスマートフォンもなく情報も少なくなぜはケニアのスワヒリ語の本を買ったのを今でも覚えています。
それからダンスのみならずセネガルの文化や宗教に惹かれ、今では人生の半分以上セネガルとともに過ごすことになりました。
その中でセネガル人との結婚・出産を経験しました。セネガルでの出産では不安な中「私たちもあなたと同じ人間で、ここでたくさんの女性が出産しているのよ」と言う言葉に「人と人」のつながりを感じることができました。ネガティブなイメージがクローズアップされやすいアフリカですがそこから学ぶことは非常に多く、「今を生きる」楽しさが現在のセネガルの暮らしを充実させています。
多くの日本の方に私が感じてきたセネガルの粋を感じてもらえるように、これからもセネガルの情報を発信し、こちらに来る方のお手伝いができればと思っております。
 
(2)アフリカルチャーの紹介
2004年に神奈川県横浜市にて市民団体(任意)登録をし、音楽・ダンス・伝統文化を通じてセネガル
を知ってもらう活動を始めました。
<地域との協働>
・子育て支援拠点でのダンス体験、リズム遊び
・保育園、幼稚園、小中学校でのダンス体験・コンサート・講座の開催
・地域イベント等での演奏
<伝承音楽の価値向上>
・在日アフリカ人アーティストのサポート
<国際理解>
・国際交流イベント、大学等での演奏、体験、講演
<西アフリカ音楽コンサート>
AFRICULTUREで最も重要なイベントだったのが「セネガル物語」です。
第一回は2009年に開催されて以来、セネガル国立舞踊団に属していた世襲制の音楽家オマール・ゲンデフル氏とAFRICULTURE代表でセネガル舞踊の普及に取り組んできたニングもえことのコラボが実現。
セネガルのトップミュージシャンにより奏でられる太鼓(ジェンベ)と演奏に直結するダンスによる本格的な西アフリカの伝承音楽イベントへと発展を遂げました。
■2010年より横浜市神奈川区の区民力発揮プロジェクに認定。5年間補助金をいただきコンサートを開催しました。それ以降は自主イベントとし合計8回開催。
■2012年から毎年、在日セネガル共和国大使からイベントに対する正式なレターと開会での挨拶をいただきました。
<ワークショップの開催>
横浜を中心に老若男女問わずだれでも参加できるタイコとダンスのワークショップを開催しました。
特に保育園・幼稚園・小中学校・地域の親子を対象にタイコのリズムとダンスを通じて感受性を育み国際理解を深める活動に注力してきました。
上記を日本で行い、2016年よりセネガル活動地域:ゲジャワイ(ダカール)に拠点を移しました。
<社会課題解決型事業>
・現地コーディネート(撮影・取材・観光など)
・TERANGA SHOP運営(セネガルの伝統工芸品やワックスプリント布などの販売)
<伝承音楽の価値向上>
・現地グリオ(世襲制の音楽家)のマネージメント
・セネガルから海外へ向けた情報発信
<国際相互理解>
・日本から伝統芸能、生活文化の体験希望者の受入れ
・セネガルツアーの開催などSNSやインターネットを通じて情報発信を行い、セネガルと日本のみなさんが気軽に繋がれる一助になればと考えています。
 
(3)これから
「テランガ」の精神で互いの共感と尊敬によって、肌の色や貧困などの偏見や差別に屈することなく平和と愛に満ちた社会を築く一助になること目指して活動していきます。                  
※「テランガ」・・・セネガルで話されているウォロフ語で「おもてなし」という意味
<伝統音楽継承と教育・就労状況向上のための地域プロジェクトへ>
西アフリカの伝承音楽普及活動を通じ、歴史や風土に育まれた伝統や文化など人類の多様性を守ることの重要
性を学びました。特にアフリカは近代史の犠牲の上に成り立ち、いまだその苦悩に悩まされています。
「AFRICULTURE」はセネガル共和国の新しい世代に風土や民俗が生んだ価値である伝統音楽を伝え、
識字など人権につながる教育を行うため地域と協働した社会課題解決型事業事業を行います。
■現地コーディネーターとして雇用
学校に通わず大人になった若者を雇用することで責任感の向上と生活へのモチベーションが上がっています。
■TERANGA SHOP立ち上げ
コロナウイルスの影響もあり伝統工芸職人が集まるビレッジは静まりかえりました。ゲジャワイにある「ビラージアーティザナル」と協働し日本の皆様にネットショップで商品を紹介、日本や海外からセネガルに来ている方にビレッジ内をご案内しています。
<文化のエクスチェンジ>
日本からセネガルに訪れる人たちの受入れし、セネガル伝統芸術や文化のワークショップ等のコーディネートを行っています。さらに訪れるかたが増えることを目指します。セネガルの若者が海外へ行くことは容易でなく、この機会を通じ海外に触れることはセネガルの若手芸術家の人材育成と意識向上につながり地域の発展にも繋がります。
 
 
4 領事便り
○領事窓口時間の変更
   4月1日より領事窓口時間が下記のとおり変更となりました。
   月曜日から金曜日まで
   9時00分から12時30分まで
   13時30分から15時30分まで
○領事手数料の変更
   4月1日から領事手数料が改訂されました。
   詳細は在セネガル大HP内「領事関連手続き」をご覧下さい。
   https://www.sn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
 
 
5 政治・経済
○NGO連携無償「ティエス州南部における土壌劣化防止と小農のレジリエンスを促進する農地生産性向上プロジェクト」の署名式
3月15日、当館とNGOムラのミライとの間で、NGO連携無償「ティエス州南部における土壌劣化防止と小農のレジリエンスを促進する農地生産性向上プロジェクト」署名式が行われました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01411.html
 
○大統領選挙の結果
3月24日に行われた大統領選挙の結果が公表され、バシル・ジョマイ・ファイ候補が54.28%の票を獲得し次期大統領に選出されました。2位のアマドゥ・バ候補は35.79%を獲得。投票率は61.3%(有権者総数7,371,890人、投票者数4,519,253人)でした。
 
〇当地国連機関職員との意見交換
3月29日、当館は当地で活躍される国際機関邦人職員の方々と経済協力について意見交換を行いました。
(当日の様子:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid031nYX3pYq7nv1siE2gVdQ9qvbiLg7qXYWAftt4pt7Ev4C7BhWDrKSNjqPEvmUZupHl&id=100078921276471
 
○伊澤大使の大統領宣誓式への出席
4月2日、伊澤大使は大統領宣誓式に出席しました。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0X5dufNWoZ9ehVwsJX6TzRK1KnJZWg2vJEnZoxYYMi3B34toQEjV4WZyJmuuvyZhwl&id=100078921276471
 
○第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の開催日程の決定
第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が2025年8月20日から22日まで横浜で開催されることが決まりました。
 
○日本企業連絡会の開催(予定)
4月9日、セネガルと関連する日本企業との連絡会を開催します。新政権の発足、今後の経済活動等について意見交換します。
 
○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
 
 
6 広報・文化便り
○2024年国費留学生懇親会の開催
3月9日、当館は国費留学生懇親会を開催し、日本に留学する新留学生の歓送を行うとともに、過去の留学生と日本留学の振興について意見交換しました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01409.html
 
○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがあるますので、ぜひ定期的にアクセスしてみてください。
TW:https://twitter.com/JapanEmbSenegal 
FB:https://www.facebook.com/profile.php?id=100078921276471 
Instagram:https://www.instagram.com/japanembsenegal/
 
○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。
 
○当館のSNSアカウントは以下のとおりです。日・セネガル関係強化のため、是非ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をお願いいたします。
TW:https://twitter.com/JapanEmbSenegal 
FB:https://www.facebook.com/profile.php?id=100078921276471 
Instagram:https://www.instagram.com/japanembsenegal/
 
----------------------------------------------------------------------
[在セネガル日本大使館メールマガジン]
○本メールマガジンに関するご意見・ご要望は以下のメールアドレスあてに送信してください。新規配信登録のご希望もこちらまでお寄せください。
mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )  
 
○参考ホームページ
首相官邸ホームページ ( www.kantei.go.jp
外務省ホームページ ( www.mofa.go.jp/mofaj/
当館ホームページ ( https://www.sn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
当館Twitter ( https://twitter.com/JapanEmbSenegal
当館Facebook ( https://www.facebook.com/profile.php?id=100078921276471
 
○発行:在セネガル日本大使館
Ambassade du Japon au Senegal
Boulevard Martin Luther King, Dakar, Senegal (B.P. 3140)
TEL :(+221)33.849.55.00
FAX :(+221) 33.849.55.55