メールマガジン2024年8月号
令和6年8月7日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2024/8/7 第27号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
***********************
1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
8月に入り本格的に雨期に入りました。一昨年はスコールの後にダカールの街が水没して都市機能が麻痺して大きな被害が出ましたが、昨年はそのような大きな被害は出なかったので今年も無事に雨期を乗り切れればと思います。
本使は7月半ばまで休暇で日本に帰国していましたが、セネガルに戻った直後に海上自衛隊の護衛艦2隻からなる訓練艦隊がダカールを訪問しました。自衛艦隊の訪問はセネガルの独立以来3回しかなく、日セネガル関係において今回の訪問は重要な意義を持つ訪問でした。
7月20日、護衛艦2隻が日本のODAで改修されたダカール第3埠頭に入港しました。入港時には白の制服をまとった海上自衛官が艦上に整列し、自衛隊の楽団とセネガル軍の楽団が交互に演奏する中で巨大な護衛艦がゆっくりと埠頭に進んでくる光景は圧巻で日本人として誇りや喜びを感じました。歓迎のために埠頭に集まって頂いた邦人の方々も本使と同じような感慨を持たれたのではないでしょうか。
滞在中、西山司令官はセネガルの国防大臣、セネガル軍司令官、セネガル海軍司令官他への表敬を行いましたが、どの表敬でもとても暖かい歓迎を受け、会談に同席した本使は海洋国家であるセネガルの同じ海洋国家としての日本に対する親近感や深い敬意を強く感じました。
滞在中、若い海上自衛官達はゴレ島やルネッサンス像他のダカール市内の名所を訪問してつかの間の休息を楽しむことができ、また、司令官達のグループはヨフの海岸でサーフィンに興じて、本使もそこに参加して楽しい一時を過ごしました。
20日には護衛艦「かしま」の艦上でセネガル軍関係者、外交団、駐在武官、邦人の方々を招待して艦上レセプションが盛大に催されました。友好国の某国の駐在武官はこのような大型の軍艦がダカールに来たのは着任以来初めてのことだととても喜んでいました。
22日には本使公邸で、自衛隊の楽団の演奏と日本からこの寄港に合わせて当地を訪問した内田さつきさんと松村湧太さんによるピアノと尺八の演奏が行われて200名近くの招待客の皆様も大変楽しまれていました。
皆様はご存じないかもしれませんが、エジプトの紅海情勢が緊迫している影響で最近は日本と欧州をつなぐ船舶の大半が南アフリカの喜望峰を回ってダカール沖を通って欧州に向かいます。セネガル沖は日本にとって重要な航路となっています。そのような状況下で今回の海上自衛隊の訪問を通じて、海洋国家である日本とセネガルが海の安全を守るために協力していくことの重要性を確認したことは大変有意義なことだと思います。
本使公邸の近くにあるサンゴール大統領記念館には1970年に行われた最初の自衛艦隊の訪問の際に大統領に贈呈されたお土産が飾られています。独立して10年ほどしか経っていなかったセネガルのサンゴール大統領が自衛艦隊の訪問をうれしく思い、高く評価していたことが分かります。そこに今回の訪問のお土産が並んで飾られることになりました。日本とセネガルの友好を示す証がまた一つ増えました。皆様もお時間あるときにこの記念館を訪れてみてください。
2 大使館からのお知らせ
○2024年8月、9月の休館日のお知らせ
8月15日 聖母昇天祭
8月23日 ※マガル
9月17日 ※モハメッド誕生日
※イスラム教の休日のため変更の可能性あり。
3 寄稿 ~三輪桂子・世界銀行カントリーディレクター~
こんにちは。世界銀行の三輪桂子と申します。セネガル事務所から、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ、モーリタニア、セネガルの5か国を担当しています。世界銀行(世銀)といってもあまりご存じのない方が多いかもしれません。世銀は1945年に第2次世界大戦後の世界経済の安定と復興を目的に設立され、今ではTo end extreme poverty and boost shared prosperity on a livable planet(住みやすい地球で極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進する)を理念、目的としています。国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、投資紛争解決国際センター(ICSID)の5つの機関が世界銀行グループとなります。日本は現在世銀の第2の出資国ですが、戦後は受益国として、東海道新幹線、東名高速道路の建設あるいは関西、中部、九州電力等のために世銀の貸出を受けていました。今回は私がどうして開発の分野で、そして世界銀行のセネガル事務所で働くことになったのか、そして世界銀行はセネガルでどんな仕事をしているのか紹介させていただくことになりました。どうぞお付き合いください。
私は大学時代に国際経済学生協会(AIESEC)というサークルで仲間とアフリカスタディーツアーというのを企画しケニア、ジンバブエ、ナイジェリアに1か月学生寮にとまりながら、現地の大学生と交流したり、国連、日本企業などを訪問しました。3か国の大学生の知見の深さそして国を背負っていくんだという意気込みに感動し、当時日本ではバブル経済真っ只中で自分が何をやりたいのか分からずモヤモヤしていた時にこれだ!と頭の中がすっきりと晴れたような気持ちになったのを今でも鮮明に覚えています。それ以来親の反対を押し切って開発の分野を目指し、国連JPOとして国連児童基金ユニセフのモルジブ事務所に赴任しました。モルジブといえば今でこそ高級リゾートで有名ですが1990年代初頭はまだまだ発展途上国で直径2キロの首都の島マレでの生活は断水、停電多し、野菜も殆どなく腸チフスにかかるや結構大変なものでした。でも教育と保健医療をサポートする仕事は楽しく3年で現地の島80位をプロジェクト実施のために回りました。その後上司の勧めで専門性を深めるため大学院で教育行政学を学んでいる際に世界銀行の研究報告書等を読む機会が多く、興味を持ってインターンの機会を得ました。それまで世銀には何となく反感を持っていた私ですが、働いてみると、情熱を持った人が多く私の世銀に対するイメージはガラリとかわりました。
ヤングプロフェッショナルとして入行しかれこれ20数年世銀で働いてきて、開発の難しさを痛感しつつ毎日新鮮な気持ちで仕事に取り組めるのは幸せなことだと感謝しています。心に残っている仕事は2002年から3年間、アフガニスタン、カブールに駐在して軍閥出身の教育大臣の指揮のもと国中を駆け巡りながら教育復興のサポートをしたことや、2008年の世界金融危機の頃、世銀総裁の補佐官として働いたこと、コロナ渦では保健衛生が担当分野で、北アフリカ、中近東の国々でのコロナ対策、ワクチンの調達のため自宅で朝から晩までテレビ会議や病院のバーチャル訪問をしながら、今までにないスピード感でプロジェクトを進めてきたことです。そして次は何かと考えた時に初心に戻るべく、開発の分野では一番“Challenging”なアフリカにぜひ戻ってきたいと希望を出したところ幸いにもセネガルで働く機会を得ました。最初に出張で来たのが2001年で、今回は昨年2023年に赴任し、ダカールのあまりの変わり様にびっくりしました。
セネガルは独立後1962年に世界銀行のメンバーとなり、一番最初に世銀が融資したプロジェクトは鉄道(ダカールとティエス間の路線の整備、機関車、車両の調達など)だったそうです。現在は農業、環境、水資源、廃棄物管理、インフラ、洪水対策、教育、保健衛生、社会保障、財政支援、民間セクター開発、地方自治体サポートなど多岐に渡り、無利子融資額は約40億ドルとなります。セネガル事務所は140人のエコノミスト、セクター専門家などのスタッフが働いています。
最近のプロジェクトでご紹介したいのはダカールの高速バスBus Rapid Transit (BRT) です。皆様もご存じの通りセネガルの都市化は近年急速に進み、人口の約四分の一が国土の0.3%しかないダカールに住んでいる状態で、都市化は益々進む見込みです。それに伴い交通システムへの圧力は増すばかりで年々渋滞、公害、交通事故死者数が増加しています。2021年だけでも交通の悪影響(大気汚染、渋滞、騒音、交通事故)は、地元経済に推定15億米ドルの損失をもたらしたと推定されています。その様な背景のもとBRTプロジェクトは、都市交通の効率を最大化し、気候や環境への影響を最小化するよう設計されました。主な特徴は全天候型18.3kmのBRT専用道路の建設、電気バス車両、最新のバス管理システム、旅客情報システムそして他の公共交通サービスとの綿密な統合などです。官民パートナーシップ(PPP)の一環として民間事業者が全面的に運行、維持管理を行っています。BRTはアフリカ全土で初めての100%電気バスシステムとして注目されており、ラッシュアワーの平均移動時間の半減を目指し、運賃を貧困層に割安に提供し、自転車用レーンを所々設けたり、セネガルでは初の女性バス運転手を起用する等、様々な側面を持っています。
このプロジェクトに対して世界銀行(IDA)は資金提供と技術支援、IFCは民間のコンセッション事業者選定のアドバイザーを務め、MIGAは民間のコンセッション事業者に対しての保証を承認し、まさに世界銀行グループとして包括的にサポートしてたプロジェクトです。私も試乗してみましたが、なかなか快適でした。皆様もぜひ乗ってみてください。
これからもセネガルの発展に微力ながら世界銀行が貢献できるようチームとともに頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
4 領事便り
○税関手続きについて
7月16日より、第三国から西アフリカ経済通貨同盟(UMOA)圏内(セネガルを含む)に5,000,000CFA以上を現金で持ち込む際は、申告が必要となります。
セネガル国外より多額のCFAを持ち込む際は十分ご注意ください。
https://lebeninoislibere.bj/wp-content/uploads/2024/07/231-Instruction-fixant-le-seuil-pour-la-declaration-des-transports-physiques-internationaux-despeces-et-instruments-negociables-au-porteur-signee.pdf
○ ひったくりについて
邦人や外国人をターゲットとしたひったくりが止みません。いずれも2人のバイク、夜間の裏道で単独帰宅途中、携帯電話が狙われている等傾向が見られることから下記について再確認をお願いいたします。
・貴重品は常に目が届き管理できる範囲に置く
※特に携帯電話は需要が高く狙われやすい!路上で片手で操作しているとひったくられる可能性が増大します
・道路側に手荷物を持たない
・可能な限り複数で行動する(特に夜間)
・車内の窓は開放しない
・二人乗りのバイクには特に注意する
・無理に取り返そうとしない(負傷する可能性があります)
5 政治・経済
○令和4年度対セネガル草の根・人間の安全保障無償資金協力「第一ゴローム村クル・ユウ保健ポスト医療機材整備計画」引渡式
7月11日、広瀬次席はダカール州ルフィスク県バンビロール市第一ゴローム村にて行われた令和4年度対セネガル草の根・人間の安全保障無償資金協力「第一ゴローム村クル・ユウ保健ポスト医療機材整備計画」の引渡式に出席しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01475.html
○経済・計画・協力省との開発協力事業3件にかかる署名
7月19日、伊澤大使はアブドゥラフマン・サール経済・計画・協力大臣を表敬訪問しました。また、両者は、「ティエス州地域中核病院拡充計画 」、「人材育成奨学計画 」、「経済社会開発計画」(地雷除去関連機材)及び「令和6年度食糧援助」のE/N等の署名・交換を行いました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01477.html
○海上自衛隊練習艦隊のダカール寄港
7月20日から海上自衛隊の練習艦「かしま」と「しまかぜ」が、令和6年度遠洋練習航海の一環でダカール港に寄港しました。20日には海上自衛隊練習艦かしまでの艦上レセプション、22日には大使公邸でのレセプションが開催されました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01481.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01483.html
○ジョップ国防大臣及びシセ・セネガル軍参謀総長への表敬訪問
7月22日、伊澤大使及び海上自衛隊練習艦隊の西山司令官は、ジョップ国防大臣及びセネガル軍のシセ参謀総長を訪問し、両国の関係強化について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01479.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01487.html
○伊澤大使によるジェフ高等教育・研究・イノベーション大臣
7月25日、伊澤大使は、ジェフ高等教育・研究・イノベーション大臣と、宇宙分野、大学間交流、日本語教育等での協力の可能性について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01485.html
○伊澤大使によるダウダ・ンゴン環境・生態系移行大臣表敬
7月30日、伊澤大使はダウダ・ンゴン環境・生態系移行大臣を表敬訪問し、二国間クレジットメカニズム(JCM)を始めとする環境分野における二国間協力の促進について意見交換を行いました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01491.html
○伊澤大使によるサレ職業訓練大臣表敬
8月1日、伊澤大使は、サレ職業訓練大臣とセネガル人の日本語教育と就労支援について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01493.html
○伊澤大使によるシー保健・社会活動大臣表敬
8月5日、伊澤大使は、シー保健大臣と、医療分野での大学間交流等について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01495.html
○JETROアフリカビジネスデスク
ジェトロ(日本貿易振興機構)は、アフリカでの事業展開を目指す法人及びアフリカですでに事業を展開している法人を対象に相談サービスを提供しています。
対象国は20か国で、セネガルも対象国に含まれていますので、活用をご検討ください。
【詳細】
https://www.jetro.go.jp/services/africa_bizdesk.html?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR3vePD6Ntz0xjeO_a3yCxw3b_An2F6r7apxSQiUKG-mzCYiKcNYm7xnQmc_aem_fgnxm1eyZLBAn6WZF5me2A
○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
6 広報・文化便り
○ソラノ国立劇場での音楽ワークショップ及び公演の開催
7月25・26日、ソラノ国立劇場との共催で、日セネガルアーティスト10名によるワークショップが開催され、26日同劇場で公演が開催されました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01489.html
○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。
○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがありますので、定期的にアクセスしてみてください。また、日・セネガル関係強化のため、ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をぜひお願いいたします。
TW:https://twitter.com/JapanEmbSenegal
FB:https://www.facebook.com/profile.php?id=100078921276471
Instagram:https://www.instagram.com/japanembsenegal/
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[在セネガル日本大使館メールマガジン]
○本メールマガジンに関するご意見・ご要望は以下のメールアドレスあてに送信してください。新規配信登録のご希望もこちらまでお寄せください。
( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )
○参考ホームページ
首相官邸ホームページ ( www.kantei.go.jp )
外務省ホームページ ( www.mofa.go.jp/mofaj/ )
当館ホームページ ( https://www.sn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html )
○発行:在セネガル日本大使館
Ambassade du Japon au Senegal
Boulevard Martin Luther King, Dakar, Senegal (B.P. 3140)
TEL :(+221)33.849.55.00
FAX :(+221) 33.849.55.55
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
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1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
8月に入り本格的に雨期に入りました。一昨年はスコールの後にダカールの街が水没して都市機能が麻痺して大きな被害が出ましたが、昨年はそのような大きな被害は出なかったので今年も無事に雨期を乗り切れればと思います。
本使は7月半ばまで休暇で日本に帰国していましたが、セネガルに戻った直後に海上自衛隊の護衛艦2隻からなる訓練艦隊がダカールを訪問しました。自衛艦隊の訪問はセネガルの独立以来3回しかなく、日セネガル関係において今回の訪問は重要な意義を持つ訪問でした。
7月20日、護衛艦2隻が日本のODAで改修されたダカール第3埠頭に入港しました。入港時には白の制服をまとった海上自衛官が艦上に整列し、自衛隊の楽団とセネガル軍の楽団が交互に演奏する中で巨大な護衛艦がゆっくりと埠頭に進んでくる光景は圧巻で日本人として誇りや喜びを感じました。歓迎のために埠頭に集まって頂いた邦人の方々も本使と同じような感慨を持たれたのではないでしょうか。
滞在中、西山司令官はセネガルの国防大臣、セネガル軍司令官、セネガル海軍司令官他への表敬を行いましたが、どの表敬でもとても暖かい歓迎を受け、会談に同席した本使は海洋国家であるセネガルの同じ海洋国家としての日本に対する親近感や深い敬意を強く感じました。
滞在中、若い海上自衛官達はゴレ島やルネッサンス像他のダカール市内の名所を訪問してつかの間の休息を楽しむことができ、また、司令官達のグループはヨフの海岸でサーフィンに興じて、本使もそこに参加して楽しい一時を過ごしました。
20日には護衛艦「かしま」の艦上でセネガル軍関係者、外交団、駐在武官、邦人の方々を招待して艦上レセプションが盛大に催されました。友好国の某国の駐在武官はこのような大型の軍艦がダカールに来たのは着任以来初めてのことだととても喜んでいました。
22日には本使公邸で、自衛隊の楽団の演奏と日本からこの寄港に合わせて当地を訪問した内田さつきさんと松村湧太さんによるピアノと尺八の演奏が行われて200名近くの招待客の皆様も大変楽しまれていました。
皆様はご存じないかもしれませんが、エジプトの紅海情勢が緊迫している影響で最近は日本と欧州をつなぐ船舶の大半が南アフリカの喜望峰を回ってダカール沖を通って欧州に向かいます。セネガル沖は日本にとって重要な航路となっています。そのような状況下で今回の海上自衛隊の訪問を通じて、海洋国家である日本とセネガルが海の安全を守るために協力していくことの重要性を確認したことは大変有意義なことだと思います。
本使公邸の近くにあるサンゴール大統領記念館には1970年に行われた最初の自衛艦隊の訪問の際に大統領に贈呈されたお土産が飾られています。独立して10年ほどしか経っていなかったセネガルのサンゴール大統領が自衛艦隊の訪問をうれしく思い、高く評価していたことが分かります。そこに今回の訪問のお土産が並んで飾られることになりました。日本とセネガルの友好を示す証がまた一つ増えました。皆様もお時間あるときにこの記念館を訪れてみてください。
2 大使館からのお知らせ
○2024年8月、9月の休館日のお知らせ
8月15日 聖母昇天祭
8月23日 ※マガル
9月17日 ※モハメッド誕生日
※イスラム教の休日のため変更の可能性あり。
3 寄稿 ~三輪桂子・世界銀行カントリーディレクター~
こんにちは。世界銀行の三輪桂子と申します。セネガル事務所から、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ、モーリタニア、セネガルの5か国を担当しています。世界銀行(世銀)といってもあまりご存じのない方が多いかもしれません。世銀は1945年に第2次世界大戦後の世界経済の安定と復興を目的に設立され、今ではTo end extreme poverty and boost shared prosperity on a livable planet(住みやすい地球で極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進する)を理念、目的としています。国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、投資紛争解決国際センター(ICSID)の5つの機関が世界銀行グループとなります。日本は現在世銀の第2の出資国ですが、戦後は受益国として、東海道新幹線、東名高速道路の建設あるいは関西、中部、九州電力等のために世銀の貸出を受けていました。今回は私がどうして開発の分野で、そして世界銀行のセネガル事務所で働くことになったのか、そして世界銀行はセネガルでどんな仕事をしているのか紹介させていただくことになりました。どうぞお付き合いください。
私は大学時代に国際経済学生協会(AIESEC)というサークルで仲間とアフリカスタディーツアーというのを企画しケニア、ジンバブエ、ナイジェリアに1か月学生寮にとまりながら、現地の大学生と交流したり、国連、日本企業などを訪問しました。3か国の大学生の知見の深さそして国を背負っていくんだという意気込みに感動し、当時日本ではバブル経済真っ只中で自分が何をやりたいのか分からずモヤモヤしていた時にこれだ!と頭の中がすっきりと晴れたような気持ちになったのを今でも鮮明に覚えています。それ以来親の反対を押し切って開発の分野を目指し、国連JPOとして国連児童基金ユニセフのモルジブ事務所に赴任しました。モルジブといえば今でこそ高級リゾートで有名ですが1990年代初頭はまだまだ発展途上国で直径2キロの首都の島マレでの生活は断水、停電多し、野菜も殆どなく腸チフスにかかるや結構大変なものでした。でも教育と保健医療をサポートする仕事は楽しく3年で現地の島80位をプロジェクト実施のために回りました。その後上司の勧めで専門性を深めるため大学院で教育行政学を学んでいる際に世界銀行の研究報告書等を読む機会が多く、興味を持ってインターンの機会を得ました。それまで世銀には何となく反感を持っていた私ですが、働いてみると、情熱を持った人が多く私の世銀に対するイメージはガラリとかわりました。
ヤングプロフェッショナルとして入行しかれこれ20数年世銀で働いてきて、開発の難しさを痛感しつつ毎日新鮮な気持ちで仕事に取り組めるのは幸せなことだと感謝しています。心に残っている仕事は2002年から3年間、アフガニスタン、カブールに駐在して軍閥出身の教育大臣の指揮のもと国中を駆け巡りながら教育復興のサポートをしたことや、2008年の世界金融危機の頃、世銀総裁の補佐官として働いたこと、コロナ渦では保健衛生が担当分野で、北アフリカ、中近東の国々でのコロナ対策、ワクチンの調達のため自宅で朝から晩までテレビ会議や病院のバーチャル訪問をしながら、今までにないスピード感でプロジェクトを進めてきたことです。そして次は何かと考えた時に初心に戻るべく、開発の分野では一番“Challenging”なアフリカにぜひ戻ってきたいと希望を出したところ幸いにもセネガルで働く機会を得ました。最初に出張で来たのが2001年で、今回は昨年2023年に赴任し、ダカールのあまりの変わり様にびっくりしました。
セネガルは独立後1962年に世界銀行のメンバーとなり、一番最初に世銀が融資したプロジェクトは鉄道(ダカールとティエス間の路線の整備、機関車、車両の調達など)だったそうです。現在は農業、環境、水資源、廃棄物管理、インフラ、洪水対策、教育、保健衛生、社会保障、財政支援、民間セクター開発、地方自治体サポートなど多岐に渡り、無利子融資額は約40億ドルとなります。セネガル事務所は140人のエコノミスト、セクター専門家などのスタッフが働いています。
最近のプロジェクトでご紹介したいのはダカールの高速バスBus Rapid Transit (BRT) です。皆様もご存じの通りセネガルの都市化は近年急速に進み、人口の約四分の一が国土の0.3%しかないダカールに住んでいる状態で、都市化は益々進む見込みです。それに伴い交通システムへの圧力は増すばかりで年々渋滞、公害、交通事故死者数が増加しています。2021年だけでも交通の悪影響(大気汚染、渋滞、騒音、交通事故)は、地元経済に推定15億米ドルの損失をもたらしたと推定されています。その様な背景のもとBRTプロジェクトは、都市交通の効率を最大化し、気候や環境への影響を最小化するよう設計されました。主な特徴は全天候型18.3kmのBRT専用道路の建設、電気バス車両、最新のバス管理システム、旅客情報システムそして他の公共交通サービスとの綿密な統合などです。官民パートナーシップ(PPP)の一環として民間事業者が全面的に運行、維持管理を行っています。BRTはアフリカ全土で初めての100%電気バスシステムとして注目されており、ラッシュアワーの平均移動時間の半減を目指し、運賃を貧困層に割安に提供し、自転車用レーンを所々設けたり、セネガルでは初の女性バス運転手を起用する等、様々な側面を持っています。
このプロジェクトに対して世界銀行(IDA)は資金提供と技術支援、IFCは民間のコンセッション事業者選定のアドバイザーを務め、MIGAは民間のコンセッション事業者に対しての保証を承認し、まさに世界銀行グループとして包括的にサポートしてたプロジェクトです。私も試乗してみましたが、なかなか快適でした。皆様もぜひ乗ってみてください。
これからもセネガルの発展に微力ながら世界銀行が貢献できるようチームとともに頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
4 領事便り
○税関手続きについて
7月16日より、第三国から西アフリカ経済通貨同盟(UMOA)圏内(セネガルを含む)に5,000,000CFA以上を現金で持ち込む際は、申告が必要となります。
セネガル国外より多額のCFAを持ち込む際は十分ご注意ください。
https://lebeninoislibere.bj/wp-content/uploads/2024/07/231-Instruction-fixant-le-seuil-pour-la-declaration-des-transports-physiques-internationaux-despeces-et-instruments-negociables-au-porteur-signee.pdf
○ ひったくりについて
邦人や外国人をターゲットとしたひったくりが止みません。いずれも2人のバイク、夜間の裏道で単独帰宅途中、携帯電話が狙われている等傾向が見られることから下記について再確認をお願いいたします。
・貴重品は常に目が届き管理できる範囲に置く
※特に携帯電話は需要が高く狙われやすい!路上で片手で操作しているとひったくられる可能性が増大します
・道路側に手荷物を持たない
・可能な限り複数で行動する(特に夜間)
・車内の窓は開放しない
・二人乗りのバイクには特に注意する
・無理に取り返そうとしない(負傷する可能性があります)
5 政治・経済
○令和4年度対セネガル草の根・人間の安全保障無償資金協力「第一ゴローム村クル・ユウ保健ポスト医療機材整備計画」引渡式
7月11日、広瀬次席はダカール州ルフィスク県バンビロール市第一ゴローム村にて行われた令和4年度対セネガル草の根・人間の安全保障無償資金協力「第一ゴローム村クル・ユウ保健ポスト医療機材整備計画」の引渡式に出席しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01475.html
○経済・計画・協力省との開発協力事業3件にかかる署名
7月19日、伊澤大使はアブドゥラフマン・サール経済・計画・協力大臣を表敬訪問しました。また、両者は、「ティエス州地域中核病院拡充計画 」、「人材育成奨学計画 」、「経済社会開発計画」(地雷除去関連機材)及び「令和6年度食糧援助」のE/N等の署名・交換を行いました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01477.html
○海上自衛隊練習艦隊のダカール寄港
7月20日から海上自衛隊の練習艦「かしま」と「しまかぜ」が、令和6年度遠洋練習航海の一環でダカール港に寄港しました。20日には海上自衛隊練習艦かしまでの艦上レセプション、22日には大使公邸でのレセプションが開催されました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01481.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01483.html
○ジョップ国防大臣及びシセ・セネガル軍参謀総長への表敬訪問
7月22日、伊澤大使及び海上自衛隊練習艦隊の西山司令官は、ジョップ国防大臣及びセネガル軍のシセ参謀総長を訪問し、両国の関係強化について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01479.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01487.html
○伊澤大使によるジェフ高等教育・研究・イノベーション大臣
7月25日、伊澤大使は、ジェフ高等教育・研究・イノベーション大臣と、宇宙分野、大学間交流、日本語教育等での協力の可能性について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01485.html
○伊澤大使によるダウダ・ンゴン環境・生態系移行大臣表敬
7月30日、伊澤大使はダウダ・ンゴン環境・生態系移行大臣を表敬訪問し、二国間クレジットメカニズム(JCM)を始めとする環境分野における二国間協力の促進について意見交換を行いました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01491.html
○伊澤大使によるサレ職業訓練大臣表敬
8月1日、伊澤大使は、サレ職業訓練大臣とセネガル人の日本語教育と就労支援について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01493.html
○伊澤大使によるシー保健・社会活動大臣表敬
8月5日、伊澤大使は、シー保健大臣と、医療分野での大学間交流等について意見交換しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01495.html
○JETROアフリカビジネスデスク
ジェトロ(日本貿易振興機構)は、アフリカでの事業展開を目指す法人及びアフリカですでに事業を展開している法人を対象に相談サービスを提供しています。
対象国は20か国で、セネガルも対象国に含まれていますので、活用をご検討ください。
【詳細】
https://www.jetro.go.jp/services/africa_bizdesk.html?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR3vePD6Ntz0xjeO_a3yCxw3b_An2F6r7apxSQiUKG-mzCYiKcNYm7xnQmc_aem_fgnxm1eyZLBAn6WZF5me2A
○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
6 広報・文化便り
○ソラノ国立劇場での音楽ワークショップ及び公演の開催
7月25・26日、ソラノ国立劇場との共催で、日セネガルアーティスト10名によるワークショップが開催され、26日同劇場で公演が開催されました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01489.html
○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。
○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがありますので、定期的にアクセスしてみてください。また、日・セネガル関係強化のため、ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をぜひお願いいたします。
TW:https://twitter.com/JapanEmbSenegal
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[在セネガル日本大使館メールマガジン]
○本メールマガジンに関するご意見・ご要望は以下のメールアドレスあてに送信してください。新規配信登録のご希望もこちらまでお寄せください。
( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )
○参考ホームページ
首相官邸ホームページ ( www.kantei.go.jp )
外務省ホームページ ( www.mofa.go.jp/mofaj/ )
当館ホームページ ( https://www.sn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html )
○発行:在セネガル日本大使館
Ambassade du Japon au Senegal
Boulevard Martin Luther King, Dakar, Senegal (B.P. 3140)
TEL :(+221)33.849.55.00
FAX :(+221) 33.849.55.55