メールマガジン2024年10月号

令和6年10月5日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2024/10/4 第29号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
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1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
 9月は気温が少し下がったように感じます。けっこう雨が降って街のあちこちが冠水してますが、9月以降にこれ程頻繁に雨が降ることは珍しいそうです。皆様如何お過ごしでしょうか。
 日本では石破内閣が誕生し、10月27日に総選挙が行われことになりました。衆議院解散後の閣議で選挙日程が確定次第、大使館における在外投票についての手続きの詳細を当館HPや領事メールでお知らせします。
 セネガルにおいても、9月12日、ファイ大統領が国民議会を解散し、総選挙が行われることとなりました。10月27日から選挙戦が始まり、11月17日が投票になります。本年4月に誕生したファイ大統領の政権は、前政権との断絶や汚職撲滅等を掲げて国政に取り組んで来ました。新政権が誕生してから半年が経ち、これまでの政権の仕事ぶりについての評価が問われることになります。過去2年間は選挙の度毎に衝突がおこり治安情勢が悪化しました。今回の選挙では大規模な衝突が起きる可能性は大きくないと思いますが、政治に「熱い」セネガルの国民性を反映して、投票日が近づくと選挙に関連した活動が活発になるので、皆様におかれても選挙戦の期間中は少し気をつけて頂くのが良いと思います。大使館の方でも、治安状況で何かあれば領事メール等で迅速にお知らせします。一昨年に国民議会選挙、半年前には大統領選挙があり、この国民議会選挙が終わると2年間続いてきたセネガルの政治の季節が終わります。これからの5年間は新しい体制の下で国政が運営されることになります。
 本年3月にパリダカールラリーで有名な、そしてセネガルに縁の深い篠塚建次郎氏が亡くなりました。篠塚氏は自分を応援して暖かく迎えてくれたセネガル人の人々へのお礼として、自ら寄付を募ってヨフに小学校を作りました。先月号で紹介した古屋典子様の「手を洗おう会」が日本語とウォルフ後の絵本の読み聞かせ会をおこなった小学校はその学校です。地元の人はこの学校を親しみを込めて「エコール・ケンジロウ」と呼んでいます。2年前、本使は篠塚氏がこの学校を訪問した時に同行させて頂きました。今思えば、篠塚氏はその時は既に病に罹られていたはずですが、そんな様子は一切見せず、子供達にもみくちゃにされて笑いながら石けんを配っていた姿を覚えています。先日の読み聞かせ会の後、篠塚学校の校長先生他が大使館に来ました。訪問の趣旨は、篠塚氏の命日に毎年学校全体で「ケンジロウを忍ぶ会」を開くので大使館も参加して欲しいとの依頼でした。校長先生が、ケンジロウはヨフの子供達の恩人、ヨフの人達は彼のことをずっと忘れないと話すのを聞いてとても感動しました。ここまで多くのセネガル人の心の中に入り込めた日本人は他にはいないのではないでしょうか。大使館は「忍ぶ会」に喜んで参加しますし、故篠塚氏が慈しんだこの学校を大切にしていきたいと思います。
 今月は、セネガル日本職業訓練センター(CFPT)の設立40周年の記念式典が予定されており、その機会にJICAの田中理事長がセネガルを訪問する予定です。また、大使館はその式典において8年にわたり校長を務めた(注:校長就任以前は教員として20年在籍)セック前校長に旭日双光章の叙勲式を予定しています。40年に及ぶCFPTの活動は日本のセネガルに対する経済協力の重要な成果の一部だと思います。日本は大した天然資源がなく人的資源によって国を興してきた経験に基づき経済協力において人材育成を重視してきました。CFPTは人と人との交流を通じて技術を伝授するための重要な拠点として発展しました。CFPTに限らず、JICA専門家やJOCVの皆さんが日々セネガル人と交流して技術を伝えていて、こうした彼らの活動を通じて日本と日本人の素晴らしさをセネガルに伝えてきました。
 子供達に対する篠塚さんの思い、先日の「手を洗おう会」の活動、そして経済協力に携わる方々の長年の交流、こうした多くの人々の活動が今日の日本とセネガルの関係の礎を築いたのだと思います。

2 大使館からのお知らせ
○2024年10月、11月の休館日のお知らせ
 10月の祝日による休館日はありません。
 11月1日 万聖節

3 寄稿 ~土久岡 真美 一般社団法人Bokk Jambaar~
「テランガの国、セネガルでの発見と出会い」
 こんにちは。一般社団法人ボックジャンバール代表の土久岡真美と申します。
 私が初めてセネガル共和国を訪れたのは、約14年前のことです。国際協力機構(以下、JICA)の青年海外協力隊として、現地に2年間滞在する機会がありました。配属先は、人口2万人程度のリンゲール県ダーラ市でした。未知の文化や言語に対する不安もありましたが、それ以上に、異国の地での新しい体験に対する期待でいっぱいだったことを覚えています。
 セネガルは、私にとって異なる文化や価値観を持つ国でありながらも、どこか懐かしさを感じる場所でした。それはおそらく、日本とセネガルに共通する「テランガ(おもてなし)文化」が日常生活に浸透しているからかもしれません。例えば、職場からの帰り道でご飯を食べている人と目が合うと、「ご飯食べて行きなよ」と声をかけてくる方が何人かいました。最初は社交辞令だと思い、「また今度食べるね」と返答していたのですが、ある日、「また今度、また今度って言うけど、それはいつだ?」と言われ、彼らが本当に私をご飯に誘ってくれていることに気づきました。当時、あまり知り合いがいない中で、こうして気にかけてくれる彼らがとても嬉しかったことを覚えています。
 現地での日々は、私にとって新たな発見の連続でした。朝の市場での買い物、地元の食材を使った料理の数々、そして何よりも、人々との交流が一番の財産です。言葉の壁を感じることもありましたが、心の交流があれば、言葉以上に伝わるものがあると強く感じました。
 特に印象深かったのは、セネガルに赴任してから1年が経ったときのことです。当時はまだ拙い語学力でしたが、ある程度日常会話ができるようになっていました。その時、セネガル人女性の友達に、色々とセネガルのことや彼女の生活について聞いていました。すると突然、彼女が「あなたは私に質問やお願いをするけど、自分のことはあまり見せないのね」と言われたことがありました。当時の私は、まだ彼らに対する警戒心があり、会話の中でも損得を考えていた部分がありました。現地のニーズや現状を知ることの重要性と同時に、自分もオープンマインドであることの大切さを教わりました。
 帰国後も私はセネガルとのつながりを大切にし、彼らの文化を日本の人たちにも知ってもらいたいという思いから、青年海外協力隊の同期メンバーと共にBokk Jambaar(ボックジャンバール)を立ち上げました。現地語で「共に頑張る仲間たち」を意味します。立ち上げてから最初の3年間くらいは、帰国時に買ってきたセネガルの布や手工芸品をイベントで販売し、その売上や集めた寄付金をセネガルに送金していました。そして現地の友人たちに協力を得て、タリベ支援や貧困家庭への蚊帳の配布、小学校の水道設置、村落部の診療所への医薬品寄付を行いました。初めての助成金で、アフリカ布雑貨を製作するケベメールの女性グループを支援し、以降は少しづつ事業規模を拡大しました。隊員時代に知り合ったカウンターパートや教員、友人たちと共に、ダーラ市およびその周辺を活動の中心地として、村落部小学校の教室増築、学校給食プロジェクト、JICAの草の根支援事業を通じたマラリア防止啓発活動等を実施し、現在に至ります。幸運にも、どのプロジェクトも大きな問題なく進行しましたが、これらのプロジェクトの成功の鍵は、隊員時代から培ってきた彼らとの信頼関係に加え、地域のニーズをよく理解している現地の担当者が主導し、責任を持って動いてくれたことにあると考えます。
 こうした国際協力を通して、今実感しているのは、これまでのように先進国が途上国の発展を考えるのではなく、協働しながら自国の発展を考える時代に突入しているということです。このような背景を踏まえ、微力ですが、途上国の課題に取り組むことを通して、今後も日本社会にも貢献できる団体でありたいと考えています。
 現地の人たちとの連絡は今も続いており、時折、彼らからの電話や送られてくるメッセージや写真を見ながら、再び訪れる日を楽しみにしています。また、私は悩みがあるときに彼らに相談することもあります。彼らからの返事はとても前向きで、力強く、希望に満ちた言葉が溢れており、そのたびに「自分のできる範囲で楽しみながら頑張ろう。」と思えます。このようにセネガルはとても魅力的です。
 この寄稿を通じて、私がセネガルで感じた感動や発見が、少しでも皆さんに伝われば幸いです。そして、これからも日本とセネガルの交流がますます深まっていくことを願っています。最後に、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

4 領事便り
領事便り
○旅券の仕様変更と申請から交付までの必要日数の増加について
(1)2025年3月24日から、旅券の偽変造対策を強化するため、人定事項ページにプラスチック基材を用いた「2025年旅券」の発給開始を予定しております。
(2)具体的には、今後当館ホームページ等でご案内いたしますが、申請から交付までにこれまでより長い日数を要する場合もあるため、この機会に、改めて、現在お持ちの旅券の有効期限が十分かご確認いただき、早めの旅券の切替申請をご検討下さい(旅券の残存有効期間が1年未満の場合に切替申請が可能です。)。
(3)なお、具体的な交付日については、申請時に予定時期(目途)をお伝えしますが、交付準備が整った段階で再度ご連絡します(窓口での書面申請の場合は電話連絡、ORRネットでのオンライン申請の場合は登録されたメールアドレスにメールを送信します。)

5 政治・経済
○令和6年度無償資金協力「経済社会開発計画(地雷除去関連機材供与)」コミッティ開催
9月10日、伊澤大使は、令和6年度無償資金協力「経済社会開発計画(地雷除去関連機材供与)」のコミッティに出席し、我が国は、同支援による社会の安定化を通じてセネガルの経済社会開発に貢献していくことを改めて表明しました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01516.html

○JETROアフリカビジネスデスク
ジェトロ(日本貿易振興機構)は、アフリカでの事業展開を目指す法人及びアフリカですでに事業を展開している法人を対象に相談サービスを提供しています。
対象国は20か国で、セネガルも対象国に含まれていますので、活用をご検討ください。
【詳細】
https://www.jetro.go.jp/services/africa_bizdesk.html?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR3vePD6Ntz0xjeO_a3yCxw3b_An2F6r7apxSQiUKG-mzCYiKcNYm7xnQmc_aem_fgnxm1eyZLBAn6WZF5me2A

○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html

6 広報・文化便り
○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。

○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがありますので、定期的にアクセスしてみてください。また、日・セネガル関係強化のため、ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をぜひお願いいたします。

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○本メールマガジンに関するご意見・ご要望は以下のメールアドレスあてに送信してください。新規配信登録のご希望もこちらまでお寄せください。
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○参考ホームページ
首相官邸ホームページ ( www.kantei.go.jp )
外務省ホームページ ( www.mofa.go.jp/mofaj/ )
当館ホームページ ( https://www.sn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html )

○発行:在セネガル日本大使館
Ambassade du Japon au Senegal
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