令和7年春の外国人勲章:パパ・マガトゥ・ゲイ日セネガル友好協会(ASENI)会長の旭日小綬章受章
令和7年5月9日

4月29日、日本の内閣府は、令和7年春の外国人勲章受章者を発表しました。本叙勲は、我が国との友好の増進等について顕著な功労のあった外国の方々に対して授与されるものです。パパ・マガトゥ・ゲイ日セネガル友好協会(ASENI)会長が旭日小綬章を受章しました。
今回の叙勲は、日・セネガル間の相互理解の促進への多大な貢献を称えて授与されるものです。
ゲイ氏は1983年に日本政府の国費留学生として初来日し、1986年に明治大学にて開発経済学の修士号、1992年に同博士号を取得しました。
ゲイ氏は日本滞在中から、日セネガルの友好促進のため母国で日セネガル友好協会を設立するという構想を抱いていました。帰国後、元国費留学生や研修生その他の関係者と話し合いを重ね、大使館の支援を受けて1995年にASENIを設立しました。同協会は今日に至るまで帰国留学生やセネガル人親日家の主要な交流の場となっています。
また、ゲイ氏は1996年からアフリカ高等経営研究センター(CESAG)にて日本語を教えており、大阪外国語大学で集中的に日本語を学んだ自身の経験を活かしつつ、これまでに600人を超える学生に日本語を指導してきました。授業においては、言語の基礎を丁寧に説明するとともに、日常生活の様々な状況に基づいた会話練習を通じて、基本的なコミュニケーション能力を養うよう工夫してきました。
2023年には、日本のラストル事業協同組合が立ち上げたSATOMIプロジェクトの専任日本語講師に選出されました。このプロジェクトは、セネガルの青年・起業・雇用省(2024年より職業訓練省)との協力のもと、CESAGにてセネガル人の若者を対象に日本語講座を実施し、一定レベルの日本語を習得した者に、特定技能実習生として日本での就労機会が与えられるものです。このプロジェクトのもと、ゲイ氏はこれまでに70人を超えるセネガル人に日本語を教えてきました。このようにゲイ氏は、日本語教育を通じ、両国間の人材交流に貢献してきました。
さらにゲイ氏は1994年から1999年までセネガルのJICA事務所にて所長特別顧問として、また1999年から2005年まで専門家として勤務しました。この期間中、セネガルの政治・経済状況や開発ニーズに関する情報を提供し、ODAの実施に関する助言を行うことで、セネガルにおける開発プロジェクトの円滑な実施に貢献しました。またこの期間中、JICAにおいて日仏通訳を担当し、関係省庁との調整業務も行いました。
これらの多大な功績を称え、この度、ゲイ氏への旭日小綬章の授与が決定されました。当館による勲章伝達式は追って行われる予定です。