平成21年度無償資金協力「タンバクンダ州およびケドゥグ州保健施設整備計画」引渡式

2014年4月17日、セネガル共和国西部のケドゥグ州サラヤ市にて、北原隆大使とマッキー・サル大統領との間で平成21年度無償資金協力「タンバクンダ州およびケドゥグ州保健施設整備計画(供与限度額16.62億円)」にかかる引渡式が、同計画にて建設された施設の一つであるサラヤ保健センターにて行われました。首都ダカールから約740km遠方に位置するサラヤでの式典は、セネガル政府の地方移動閣議の機会を利用して行われましたが、セネガル側からはセック保健・社会活動大臣、カバ法務大臣、ンドム環境・持続的開発大臣、ンジャイ国家大臣、サラヤ県知事、ケドゥグ州医務局長等多くの閣僚・関係者が同席し、日本側からは加藤JICAセネガル事務所長が出席しました。


本計画は、同国でも特に社会開発が遅れた内陸部の貧困地域であり、保健医療の水準が最も低いタンバクンダ州及びケドゥグ州に対し、新たに3つの保健センターを整備し、1つの保健研修センターを増強するものです。2009年5月に両国間で計画実施の交換公文を締結後、対象施設の中で首都ダカールから最も遠方に位置し、インフラ等社会条件が最も厳しいサラヤ保健センターの開所により、全施設の稼働に至りました。


式典では、多くの地域住民が見守る中、サル大統領と北原大使によるテープカット、碑文の除幕が行われ、関係者によるセンター内視察の後、サラヤ県知事、北原大使、サル大統領がそれぞれスピーチを行いました。

北原大使からは、この計画実施のために尽力された方々に感謝すると同時に、同保健センターの整備は母子保健を重視した日本の保健政策に基づいたものであり、安倍総理が2013年の国連総会演説にて表明した女性が輝く社会の実現という方針を体現し、セネガルと日本の友好の象徴として、国の社会経済発展に寄与することが期待される旨述べるとともに、各センターの有効活用への期待を表明しました。

サル大統領からは、本計画への感謝のみならず、日本政府がJICAを通じてこの東部2州で展開している他の保健プロジェクト(母子保健強化、保健システム強化)を高く評価している旨述べ、今後セネガル政府としても保健サービスへのアクセスが困難な同地域への対応をしっかり行っていく決意を表明した上で、地域の行政関係者や住民に対し、同施設の維持管理、有効活用を願う旨発言しました。

サラヤ保健センター正面入口


センター入口でテープカットをするサル大統領(中央)と、北原大使(左)、セック保健大臣(右)。右後方はJICA加藤所長


センター内の手術室を視察する一行


センター前に設けられた主賓テント内。左から、ンドム環境大臣、カバ法務大臣、ンジャイ国家大臣、セック保健大臣、サル大統領、北原大使、加藤JICA所長


当地に大統領や外国大使が来訪することが珍しいこともあり、センターの外には式典の様子を見ようと大勢の地域住民が集まった


主賓テント前でスピーチを行う北原大使。報道関係者も多く取材を行った


【プロジェクト基礎情報】
・案件名:平成21年度無償資金協力「タンバクンダ州およびケドゥグ州保健施設整備計画」
・供与限度額:16.62億円
・案件概要:1. タンバクンダ州
(1)タンバクンダ保健人材育成センター(増築、医療機材配備、技術指導。2011年2月引渡)
(2)ジャンケマハ保健センター(新設、医療機材配備、技術指導。2012年6月開所)
(3)マカクリバンタン保健センター(新設、医療機材配備、技術指導。2013年8月開所)
2. ケドゥグ州
サラヤ保健センター(新設、医療機材配備、技術指導。当該引渡式対象)

JICA“ODA見える化サイト”での本計画紹介はこちらから