兼轄国観光情報 : カーボヴェルデ
カーボヴェルデは,セネガルの西方約620km の大西洋上に点在する10 の大きな島(1つは無人島)と8の小島から成る島嶼国です。人口は約54 万人,面積は約4,000 ㎢で滋賀県と同程度です。
乾燥した風土で,年間を通じて強い海洋風と北東の貿易風が吹きます。平均気温は22度から27度前後と比較的温暖な気候です。マリンスポーツやトレッキングなどを楽しむことができます。比較的治安が安定していることやヨーロッパと結ぶ直行便があることから,多くのヨーロッパ人観光客が訪れます。
海外からの玄関口となるのは,首都プライアがあるサンティアゴ島,この国最大のリゾートビーチが広がるサル島,そして国内第2の町ミンデロがあるサン・ヴィセンテ島です。
・サン・ティアゴ島(Santiago)
首都プライアがあるサンティアゴ島は,この国の中心として発展しています。町の中心にあるプラトー地区は,ヨーロッパを思わせるような石畳の町並みで,徒歩で散策できる手頃な広さです。
島の北部には,タラファル(Tarrafal)と呼ばれる美しいビーチが広がり,この島のリゾート地として人気があります。プライアから車で約2時間と近いことから,旅行者に人気が高いスポットです。
また,プライアから車で30分程西へ走ると,15世紀から17世紀にかけて奴隷貿易の要所として栄えたポルトガル人居住地シダーデ・ヴェリヤ(Cidade Velha)があります。この居住地には海賊からの襲撃に備えた要塞跡や西アフリカで最初に建築された教会跡など様々な遺跡が残っています。この国で世界遺産に指定されている唯一の場所です。
・サル島(Sal)
サルとは塩(Sal)を意味し,1940年頃まで約1世紀の間,塩が輸出されていました。島の東岸のペドラ・ルメ(Pedra Lume)には塩田跡が残っています。今も残る塩湖は,死海のように塩分濃度が高く,人が浮くことができます。また,島南部のサンタマリア(Santa Maria)には,この国最大のリゾートビーチが約8kmにわたって続きます。特にヨーロッパからの旅行者が多く,リゾート地として人気があります。
・サン・ヴィセンテ島(São Vicente)
サン・ヴィセンテ島には,第2の町であるミンデロがあります。19世紀中央大西洋航路の重要な港として発展したミンデロは,現在でも国内有数の漁港として活気に満ちています。 また,ミンデロは音楽の町としても有名であり,5月から夏にかけては,大規模な野外音楽フェスティバルがビーチで開かれ,欧米からもたくさんの音楽好きが集まります。
同島出身のセザリア・エヴォラは「裸足の歌姫」の異名をもち,国内のみならず全世界で注目を集めており,過去にグラミー賞を受賞しました。彼女が歌う「モルナ」と呼ばれるカーボヴェルデ音楽は,ポルトガルや西アフリカなどの音楽的要素の影響を受けており,哀愁漂う中にも力強さを感じさせます。
・その他の島々(サント・アンタン島、サン・ニコラウ島、フォゴ島、ボア・ヴィスタ島、マイオ島等)
ここで取り上げなかった島々にもそれぞれ独特の雰囲気があります。例えば,フォゴ島では国内最高峰の火山(標高2,829m)に登ることができます。また,ワイン,チーズやコーヒーが生産されています。フォゴ島のほかサント・アンタン島でも,トレッキングを楽しむことができます。
カーボヴェルデは他のアフリカ諸国と比べて,治安も安定しており比較的
安全な国ですが,スリや置き引きと言った一般的な軽犯罪は増えています。カーボヴェルデをご旅行される際には,外務省発表の海外安全情報等を参考にして安全にご注意ください。
写真 (左)サンティアゴ島 (右)サル島