平成23年度対セネガル草の根・人間の安全保障無償資金協力「農業畜産技術訓練センター整備計画」引渡式

2014年6月11日、チェス州チェス県チェス市にある農業畜産技術訓練センターにおいて、平成23年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「農業畜産技術訓練センター整備計画」(供与限度額9,578,640円)の引渡式が開催され、チェス市役所シス助役、州開発局ボイ局長代理、チェス州理事会ンジャイ代表、被供与団体であるセネガル農業畜産組合ジャロ代表及び農業・畜産従事者と当館久保臨時代理大使が出席しました。

セネガルの農業セクターには国民の約70%が従事していますが、GDPに占める割合は低く、生産性の改善が求められています。同国の農民の大部分は、乾季における栽培技術や農作物の保存技術を持たないため、1年の半年以上を占める乾季に十分な栽培ができず、慢性的な貧困状態に置かれています。このような背景から、セネガル農業畜産組合は、栽培技術の向上や販売方法等の能力強化を行い、農民の貧困削減と食料の安定確保の促進活動を行っています。同組合はチェス市に所在する宿泊施設を備えた農業畜産技術訓練センターにて年間約3,000名の農業・畜産従事者に研修を提供していますが、年間研修需要は約6,000名にのぼり、収容可能数を超える受講希望者は断らざるを得ない状況にありました。

本案件で、既存の農業畜産技術訓練センター横に、研修室、寮、事務室、調理場等を備えた2階建ての新規職業訓練センターが建設されたことで、新たに年間約3,000名が研修を受講することが可能となりました。セネガルでは、本格的な研修プログラムは高い需要があるものの、研修所の数が限られているため、本案件実施地であるチェス州だけでなく、国内全域の農業・畜産従事者のニーズに応えることが期待されています。

引渡式ではセレール族の伝統的な歌と踊りが披露され、チェス市役所シス助役が日本政府へ謝辞を述べるとともに、農業従事者にとって発展の基礎となる教育や研修を提供する本施設に代わるものは他にないだろうと述べました。


 

 

 

 

 

 

農業畜産技術訓練センター外観

 

 

 

 

 

 

 

セレール族の伝統的な歌と踊りが披露された

 

 

 

 

 

 

スピーチする久保臨時代理大使

 

 

 

 

 

 

 

テープカットの様子
右:久保臨時代理大使
中央:チェス市役所シス助役