政策協議実務者会合の開催
2014年7月31日, ダカール市内ホテル・ル・ジャンブールにおいて, 対セネガル政策協議実務者会合が開催されました。ゲイ経済・財政・計画省次官を始めとするセネガル政府関係者, セネガルにおける他ドナー及び市民社会より出席者54名, 日本側は北原大使及び当館館員,JICAから柴田次長を始めとする36名が参加して協議が行われました。
本会合は冒頭テーマとして女性支援を紹介し,JICA柴田次長による「対セネガルに見る女性自活支援とジェンダー主流化」についてのプレゼンテーションの中で,母子保健サービスの向上,青年海外協力隊(JOCV)の村落女性支援,また稲作振興における女性生産者支援の説明がありました。
北原大使はスピーチで,セネガルと日本は,①民主主義の深化,②平和と安定,③女性のエンパワーメントの価値を共有するパートナーであり,本年秋,1980年の派遣開始以来,セネガルへのJOCV派遣数は延べ1,000名を突破することを紹介しつつ,日本はセネガルとの協力を一層強化していきたいと述べました。
また,北原大使は,日本は官民一体でセネガルの産業人材育成を支援すべく,TICAD Ⅴの際に行われた日セネガル首脳会談におけるサル大統領からの要請を踏まえ,ABEイニシアティブを活用し,セネガルの優秀な若者約50名を招聘し,日本の大学への留学と企業でのインターン経験の機会を提供していくと発表しました。一方,本年秋で30周年を迎える日セネガル職業訓練センターを中心に,産業人材育成支援を強化するとともに,セネガル政府のコメ自給に向けた努力を支援すべく,農業人材支援も継続していくことを約しました。
さらに,北原大使は,「ダカール首都圏開発マスタープラン策定プロジェクト」の調査団が8月に来訪すること,及び「ダカール海水淡水化プラント建設計画」につき,円借款を想定した協力準備調査について前向きに検討していることを紹介しました。その上で,日本の民間企業のセネガルへの関心を惹きつけられるように,具体的な案件の情報提供等セネガル政府の協力を要請しました。
ゲイ経済・財政・計画省次官からは,無償,技術協力,円借款で総額750億CFAフランに上る日本の支援の完璧で効率的,効果的な実施に感謝する旨述べた上で,昨年6月のTICAD V支援策はアフリカに希望をもたらすものであり,母子保健や女性組合への支援等を通じた女性支援や人材育成を通じた青年支援はアフリカのニーズに合致している旨述べました。
また,ゲイ次官は,日本はアフリカ稲作振興のための共同体(CARD),G8ニューアライアンスを通じて,セネガルの2017年までのコメ自給に貢献している点を紹介した上で,セネガルは,アフリカ民間部門支援のためのアフリカ開銀(AfDB)を通じた20億ドルの借款支援(EPSA)を早期に利用したい旨の希望を表明しました。
スピーチの後,日本側より,経済協力概要,国別援助方針及びTICAD V支援策の進捗状況を報告した後,セネガル側より,セネガル振興計画(PSE)フォローアップ体制,MDGs達成状況につき発表がありました。最後にチャム大統領府技術協力長,ンダオ外務・在外セネガル人省アジア課長,バ経済・資金協力局長の順に日本の効果的・効率的な支援に対する謝意が述べられ会合を終了しました。
対セネガル国別援助方針
事業展開計画
スピーチを行う北原大使
スピーチを行うゲイ経済・財政・計画省次官
日本のプレゼンに耳を傾けるセネガル政府出席者達
政策協議後にプレスからインタビューを受けるJICA柴田次長