大使の新年の御挨拶
新年明けましておめでとうございます。
セネガル、ダカールの元旦、朝7時は晴天。摂氏20度でした。
皆様は何処でどのように年末年始を過ごされましたでしょうか。
昨年、セネガルでは政治、経済、外交を中心に大きなニュースが相次ぎました。
2月のパリでのCG会合(Groupe Consultatif)の成功。与党にとってはほろ苦い結果となった6月の地方選挙。そして11月のフランコフォニー・サミットに続き12月にはアフリカで初めての“アフリカの平和と安定のためのダカール国際フォーラム”が開催され、マッキー・サル大統領もその存在感を存分にアピールしました。また、エボラ出血熱病もギニアから感染者が一人入国したものの、事態を収拾することに成功しました。
派手なイベントが多かった2014年ですが、マッキー・サル大統領も2015年はいよいよ経済政策の果実を国民に示し、2017年に予定されている大統領選挙に備える体制構築に入りましょう。どのような手を打ってくるか興味津々、且つ期待するところ大であります。
一方日本では、広島の土砂災害、御嶽山の噴火といった自然災害に心を痛められました。
そして秋になっての総選挙の結果、第三次安倍内閣が発足。民間出身大使としてはやはり日本経済再生の行方が大変気になるところであります。
そして何といっても2015年は第二次世界大戦の終戦70年という節目の年にあたります。
私の亡き父は戦時中を在仏日本大使館の館員としてフランスのヴィシーにて過ごし、その後連合軍のノルマンディー上陸を受けてドイツのシグマリンゲンにペタン将軍のヴィシー政権一行と共に移動。最終的にはジュネーブにて終戦を迎えております。当時の話をもっと聞いておけば良かったと、1986年に急逝した時に悔やみました。
そして昨年96歳で他界した義理の父はフィリピンの戦場で米軍の爆撃を受けて負傷したために辛くも玉砕を免れ、戦後帰国しましたが、その後は元気に国鉄に復帰、東海道新幹線開通に大いに尽力し、リニアモーターカーの研究に携わりました。
いまだに身近に残る戦争。アジア諸国との間に大戦が残した様々なる影や思い。パレスチナやウクライナで昨年も過激化した地域的紛争。さらにはテロリストという捉えどころの無い相手との新たな戦争。消えることの無い様々な戦争、紛争、諍いに改めて向かい合い、我が国として世界の平和構築に少しでも貢献出来ればとの思いを、新年早々新たにした次第です。
2015年が皆様にとって良い年になりますよう心からお祈り申し上げます。
北原 隆