メールマガジン2023年12月号

令和5年12月7日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2023/12/7 第19号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
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1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
12月、師走です、今年も残すところ一月弱になりました。日中は依然として30度くらいまで気温が上がり残暑?が続きますが、朝晩は快適になってきました。皆様如何おすごしでしょうか。
 
11月27日28日に毎年恒例のダカール・国際安全保障フォーラムが開催され、日本政府を代表して堀井外務副大臣が参加しました。
 
ダカール・フォーラムは今年で9回目となりましたが、そもそもはサル大統領のイニシアティヴにより始まったものです。サル大統領は来年の大統領選挙に立候補しませんので大統領としては最後のフォーラム出席になります。自ら立ち上げたこのフォーラムに対して個人的な思いがあるのでしょう、大統領の開会式スピーチでは地域の安全保障問題に留まらず、開発問題、グローバルガバナンスやファイナンスの問題等、大統領が長年取り組んで来た国際社会の諸課題についての大統領の思いが語られました。
 
堀井副大臣は開会式の最初にスピーチを行いました。TICADを通じての取り組みや本年の岸田総理のアフリカ訪問の成果等、最近の我が国のアフリカへの取り組みを力強く訴えて頂きました。開会式はTVで生放送され、フォーラムの中でも最もハイライトされるイベントですが、そのトップで日本の代表が発言し日本の政策を訴えることができたことは大変結構なことだと思います。
 
副大臣はサル大統領他セネガル要人とのバイ会談を行い、二国間関係を経済協力、ビジネス、交流の幅広い分野で発展させるという方針が再確認されました。また、CFPT視察やENDSSの引き渡し式に参列されて、日本の経済協力がセネガルの発展に大きく貢献していることを十分理解して頂きました。更に、企業関係者との意見交換や在留邦人との意見交換でもセネガルとの二国間関係の重要性について認識を深めて頂きました。
 
今回の訪問の最後に、副大臣より、日本とセネガルの交流強化の必要性について十分理解したとのお言葉を頂き、本使としては大変うれしく思いました。訪問は大成功でした。この場を借りて副大臣の訪問にご協力頂いた邦人の皆様へ感謝を申し上げます。
 
この1年を振り返ると、セネガル情勢では今年前半には大統領選挙との関連で少し緊張しましたが大きな政治的混乱になることなく収まりました。日本との関係では昨年末のサル大統領の訪日の成功や、初めての本格的な日本アニメイベントの開催や日本語教育のスタートなど新しい取り組みをすることができました。また、日本企業の支援のためにセネガル政府との経済委員会の開催や大使館館との定期連絡会を立ち上げることができました。実りある1年だったと思います。
 
改めまして皆様のご協力に感謝申し上げます。
少し早いですが皆様良いお年をお迎えください。
 
 
2 大使館からのお知らせ
○2023年12月、2024年1月の休館日のお知らせ
12月25日 クリスマス
12月30~31日 年末休暇
  1月1~3日 年始休暇
 
3 寄稿  ~横関祐見子 JICA企画調査員(サヘル広域)~
サヘル支援と「卒業」
 
サヘル広域支援の企画調査のために昨年11月末にダカールに来ました。ダカールに赴任するのは二度目です。一度目は2009年から5年間、UNICEF地域事務所の教育アドバイザーとして中西部アフリカ24か国をカバーしました。それまで働いていた東南部アフリカ諸国に比べて教育開発の遅れた国々です。加えて、リビア・ガダフィ政権の陥落後のマリの治安の悪化、ギニア、シエラレオネ、リベリア等でのエボラ出血熱の危機の中での教育の継続など、多くの課題がありました。2015年初旬にユネスコの人材開発研究所(IICBA‐International Institute for Capacity Building in Africa)に移った時には、ほぼ「燃え尽きた」状態だったかもしれません。
 
IICBAでは、教師開発のための調査研究と政策対話や提言に加えて、教師開発を通じた平和構築「Teacher for Peace」を始めました。試行錯誤を繰り返しながら同僚と一緒に活動する中、これが私が本当にやりたかったことだったと気づきました。50代後半でも転機は訪れることに驚きながら平和学に「入学」し、少しずつ関連書籍を読み、専門家の話を聞いて学びました。2022年、そろそろ定年と思っていた時に、JICAサヘル地域の平和構築・企画調査員ポストが再公募となっているのを見つけました。これは天の啓示と勝手に思い込んで応募し、11月末にセネガルに赴任しました。古巣JICAに温かく迎えて頂き感謝しながら。
 
サヘルはサハラ砂漠の南に位置し、アフリカ大陸を横断する半乾燥地域で、セネガルからエリトリアまでの約20か国を指します。広義ではギニア湾沿岸の国々の北部、北アフリカの国々の南部も含めます。今のJICAの仕事では西アフリカのサヘル諸国(マリ、ニジェール、ブルキナファソ、モーリタニア、チャド)を中心に見ています。
 
サヘル地域は世界で最も開発指標の低い国々であり、政治的に不安定な地域でもあります。アフリカの角と呼ばれる地域では、ソマリア、南スーダン、エリトリア、エチオピアで内戦が続き多くの難民が出ています。「ボコハラム」という過激派武力組織はチャド湖周辺の国々に脅威を与えています。これに追い打ちをかけるように気候変動による農業や牧畜への影響があります。そしてリビアのガダフィ政権陥落後2012年からイスラム過激派が南下して西アフリカ・サヘル地域の情勢が一気に不安定化しました。マリ、ブルキナファソでクーデターが繰り返され、比較的安定している国と見られていたニジェールでも今年7月にクーデターが発生しました。ウクライナ危機やパレスチナ危機の陰で、世界的なニュースにはなかなか出てこないのですが、毎日のように一般市民が殺され、多くの難民と国内避難民が出ています。悪名高いロシアの傭兵組織ワグネルも暗躍しています。ウクライナ戦争と地球環境の変化による小麦や食用油の値上がり、制裁による電力不足も人々を苦しめています。
 
2022年にサヘル広域支援、平和構築を始めた際に、友人や元同僚に「教育開発を卒業して、平和学に入学した」と言いました。40年以上続けてきた教育開発から多くのことを学びました。ジンバブエやケニアの農村中学校での理数科教師から、閣僚との政策対話に至るまで色々な経験を積ませて頂いたことに感謝して「卒業」することにしました。
 
「卒業」という映画(1967年)があります。ダスティン・ホフマンの出世作でTVでも繰り返し上映されてきたので若い方々でもご存じでしょうか。この映画は大学進学率が今のように高くなかった1960年代の米国で、大学を卒業したエリート青年の不倫、恋愛、結婚と、それを取り巻く家族の葛藤を一流の俳優陣が見事に演じています。最初に見た時には単なる恋愛映画だと思っていたのですが、先日見直したら、若者の不安と大人や体制への不満の方がよく見えてきました。そして反戦と平和のメッセージが随所にあることにも気づきました。映画に使われているサイモン&ガーファンクルの名曲サウンドオブサイレンスも、どちらかと言えば恋愛映画には似つかわしくない曲です。この頃の米国は行く先の見えないベトナム戦争の最中でした。
 
UNESCO憲章の前文に「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という有名な一文があります。1945年、第二次世界大戦の戦禍から懸命に回復しようとしていた世界の平和主義を象徴する文章です。世界がこのように理想に燃えていた時があったことを覚えていたいと思います。
 
今の世界は、世界大戦に向かっていった20世紀初頭や、第二次世界大戦後の冷戦の時代よりも、もっと危険な状態にあるのかもしれません。ウクライナやパレスチナ情勢によって分断された世界の中で、若者が不安と恐れや空虚を乗り越えるためには何をすればよいのでしょうか。サヘルを「忘れられた危機」にしてはいけないと思います。アフリカが、そして世界が、戦争と暴力から「卒業」できる日がいつか来ることを信じて、頭と体が続く限り働きたいと思っています。
 
 
4 領事便り
<ダカールでの邦人被害の犯罪・事故>
 こんにちは。領事の竹村です。私がセネガルに赴任したのは2022年4月で、概ね1年7月経過しましたが、この間、本当に多くの日本人が犯罪に遭ったとの報告を受けました。私の赴任後に報告を受けたものを集計したところ、
   ・ひったくり 11件
   ・路上強盗 2件
   ・侵入盗  3件
   ・その他窃盗・犯罪 2件
と計19件の被害報告がありました。しかし、これは私が報告を受けたものだけですので、実際に被害に遭った方はこれ以上になるはずです。在留邦人は約200人ですが、そのうち年に1~2割の在留邦人が犯罪被害に遭っていることになります。
 場所についても、プラトー、アルマジ、ポワンE、ファン・レジダンス、ンゴールと至るところで発生しており、「ダカールのこの地域が危ない」と特定することができません。
 在留邦人の皆様にあっては、犯罪被害は誰でも、いつでも、どこでも遭遇する可能性があると心得て、日頃から犯罪に遭わないよう注意深い行動を取り、金品を奪われた場合も取り返そうとせず、命を守る行動を取ってください。
 もうひとつ気になるのは交通事故です。先日、一時滞在の邦人の方が車に轢かれました。話すこともでき意識も明瞭だったのですが、頭を強く打っている可能性がありました。皆さんご存じのとおり、当地の医療事情は日本や先進国と比較し十分なものではありません。救急車に乗れたとしても速やかに適切な治療を受けられない可能性もあります。幸い、この方は翌日にCTを撮ることができ、脳損傷もないとの診断を受け(怪我はありましたが)無事出国できましたが、在留邦人の皆様も怪我や事故にはくれぐれもお気をつけください。
 
 
5 政治・経済
○伊澤大使の経済団体関係者との意見交換
11月2日、伊澤大使はアーニュ・セネガル全国経営者団体会長及びグジャビ・セネガル投資クラブ会長と意見交換を行いました。
アーニュ経営者団体会長:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02jNvhK5nELnbJZGkezo5Nt3y8Y2g8yFCCq89vFVd1TYBuHCPTwJRuYrfSgcik8XYol&id=100078921276471
グジャビ投資家クラブ会長:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0cZofo43nw8Z92sXNmA9CsWWuJkio2CusuYCvkCViZnKtsCdka2snbSU1cLBHuxHkl&id=100078921276471
 
○パパ・ビラマ・チャム首相府政府事務局技術協力局長の旭日中綬章受賞
11月3日、日本の内閣府は、令和5年度秋の外国人勲章受章者を発表しました。本叙勲は、我が国との友好の増進等について顕著な功労のあった外国の方々に対して授与されるものです。
(詳細:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01330.html
 
○伊澤大使のサール空軍参謀長表敬
11月6日、伊澤大使は、サール空軍参謀長を表敬訪問しました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01328.html
 
○伊澤大使のカ経済・計画・協力大臣表敬
11月7日、伊澤大使はカ経済・計画・協力大臣を表敬し、日セネガル経済関係について意見交換しました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01332.html
 
○堀井外務副大臣の第9回ダカール・フォーラムへの参加
11月27、28日、ジャムニャジョの国際会議場(CICAD)にて、第9回ダカール・フォーラムが開催され、日本からは堀井巌外務副大臣が出席しました。堀井副大臣は、サル大統領、ガズワニ・モーリタニア大統領、マルティンス・ギニアビサウ首相らと会談を行いました。また、開発協力案件の現場を視察しました。
当日の様子:
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01335.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01336.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01337.html
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01338.html
 
○堀井外務副大臣の対セネガル無償資金協力「国立保健医療・社会開発学校(ENDSS)母子保健実習センター建設計画」完工式への参加
11月28日、堀井副大臣は、国立保健医療・社会開発学校(ENDSS)を訪問し、無償資金協力「国立保健医療・社会開発学校(ENDSS)母子保健実習センター建設計画」の完工式に参加し、スピーチを行いました。
https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01346.html
 
○日本企業連絡会の開催
日本国大使公邸においてセネガルで活動する日本企業との定例連絡会が開催されます。出席者の方は積極的に意見を出していただければと思います。
 
○第6回アフリカビジネス協議会(JBCA)投資環境改善ワーキンググループの開催
12月12日、日本時間17:00~18:30、セネガル時間8:00~9:30にアフリカビジネス協議会(JBCA)投資環境改善ワーキンググループが開催されます。
本ワーキンググループは、外務省が担当しており、アフリカ諸国への投資を検討する企業様との間で、各国投資環境情報の効果的な提供や、投資環境改善に向けた各種協力を進めております。
イベント詳細は、以下のご案内をご参照ください。
参加申し込み:https://forms.office.com/r/FFNSFFqDpZ?origin=lprLink
(締め切り:12月7日(木))
 
○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
 
 
6 広報・文化便り
○CESAGでの日本語教育コース開講
11月23日、CESAGにおいて日本語コースが始まりました。受講者はこれから10か月間日本語の授業を受け、日本語能力資格の取得を目指します。
当日の様子:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid06yndDmYBJZzeaWirfcp5iEYwkNqm2T5Df74GGLH234oFK6LoJ11njDHnC88fQCSrl&id=100078921276471
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0Hh5wAvRXzhPCzmqMEBYp79cKQJjdqYT3AtVT8eX1JfFbNfEJGkbb9Z215e3XKirhl&id=100078921276471
 
○日本映画上映会の実施
11月8、9日、当館はダカールのハルワール高校とチャーロイ高校で日本映画の上映会を行いました。
当日の様子https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02b7H5ureWEdqjTMTLoh46oKy7Ue9mfdiiVdQRCh7GRYgM3UXSXpWapzbcmghtZg2l&id=100078921276471
 
○当館SNSでは、セネガルで開催されるイベントの告知や当館の活動報告を行っています。他にもたくさんのコンテンツがあるますので、ぜひ定期的にアクセスしてみてください。
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FB:https://www.facebook.com/profile.php?id=100078921276471 
Instagram:https://www.instagram.com/japanembsenegal/
 
○当館では、日本関連行事に関する情報を随時募集しております。皆様ご自身が実施される日本関連行事のほか、知り合いの方のご活動等についての情報を( mailmagazine-sn@dk.mofa.go.jp )までお知らせください。毎月末までに原稿をいただければ翌月のメールマガジンに掲載することができます。当館HPやSNSへの掲載は随時行います。
 
○当館のSNSアカウントは以下のとおりです。日・セネガル関係強化のため、是非ご関心のある投稿のRTやシェア等、皆さまのご協力をお願いいたします。
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○参考ホームページ
首相官邸ホームページ ( www.kantei.go.jp
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