メールマガジン2024年5月号

令和6年5月6日
【在セネガル日本大使館メールマガジン 2024/5/6 第24号】
◆ 目次 ◆
1 「伊澤修駐セネガル日本大使挨拶」
2 「大使館からのお知らせ」
3 「寄稿文」
4 「領事便り」
5 「政治・経済」
6 「広報・文化便り」
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1 伊澤修駐セネガル日本大使挨拶
5月に入っても夜は涼しい日が続いています。まだ暑さが本格化していないので比較的過ごしやすいですね。皆様如何お過ごしでしょうか。
 
ファイ大統領・ソンコ首相の新政権は順調に滑り出している感じです。新しい閣僚が任命され、各省でも幹部ポストの入れ替えが進んでいて、新政府の体制が固まりつつあります。
新政権は前政権を批判して権力の座についたので、ある程度政策の見直しや刷新が行われることになり、スローガンとは別にその実体がどのようなものになるのか依然として不透明なところがありますが、少なくとも汚職については厳しく対処していることが分かります。連日新聞は前政権における不透明な資金の流れについての追求の動きを報じています。本使としても、セネガルが中進国に向けて着実に発展を続けて行くためには、汚職対策やアカウンタビリティーの向上は重要だと考えますので、是非、新政権には頑張って欲しいと思います。
 
新政権樹立後、大統領、首相、外務大臣表敬を申し込んでいますが、残念ながらまだ実現していません。就任直後から大統領は政権の立ちあげや近隣国への訪問等で多忙であることはよく分かるので、とりあえず新しい外交顧問や外務省を通じて日セネガルの関係の現状や方向性について情報のインプットに努めています。
そのような中で本使が懇意にしているジョップ前サンジャラ市市長が産業通商大臣に任命され、早々と表敬することができました。ジョップ大臣は市長時代に訪日して日本企業に対してセネガルへの投資を呼びかけました。とても親日的な方で、大臣曰く、日本の経済発展のモデルをセネガルも踏襲したいと思い、日本の経済産業省に倣って関係省庁を統合して産業通商省を作ったそうです。彼は万博を所掌し、日本とのつきあいが益々深くなると思いますので楽しみです。
 
4月中旬に、サンルイからセネガル河沿いを進んでマタム、カジェル、ギディラといったセネガル東部のモーリタニアやマリとの国境地帯を視察してきました。
この地域はダカールから数百キロ離れた奥地、内陸にあるので、訪問前は発展が遅れた地域だろうと勝手に思い込んでいたのですが、この地域を訪問してみて自分の偏見がよく分かりました。
この地域を流れるセネガル河は緑色に近い川面で水を豊かに湛え、その河沿いに大小の町が続き、道路もきれいに整備され、多くの人々や物が行き交っています。自分はアフリカについて浅学ですが、直感で、古からこのセネガル河が大西洋と内陸部を結ぶ重要な交通交易ルートとしての役割を果たし、この河を中心に独自の文明が栄えていたのだと思いました。おそらくこの地域は植民地時代よりも前から既に豊かな地域だったと思います。現地を視察してみてこの地域に対する本使の認識が全く変わりました。やっぱりその場に行かないと分からないことはありますね。
セネガルに来て2年を超えてようやく国内の主要な地域を全て訪問することができました。一段落です。
 
先月は、日本から能楽師の大倉正之介さんが来られて、セネガル人音楽家のラティール・シィさんと本使公邸やインターナショナルスクールで素晴らしいパフォーマンスをして頂きました。
今月は、セネガルではサンルイでジャズ・フェスティバルが開催され、ダカールでは現代アートの大規模なイベントとしてビエナーレ展示会が開かれます。
日本との関係でも、5月25日にコルニッシュ通り沿いのPlace du Souvenirにおいて日本のアニメフェステバル「祭り」が開催されます。大使館やJICA、その他の日本関係の団体や企業も参加する、日本のポップカルチャーを中心とした大規模なお祭りイベントです。是非とも多くの日本人、セネガル人に来て頂いて、楽しんで頂ければと思います。
また、6月1日には、ゴレ島において日本人の有志による「世界子ども平和音楽祭」が開かれます。主催者としては、かつて奴隷貿易の拠点となり人類の負の遺産を象徴するゴレ島から平和のメッセージを世界の子供達に伝えたいそうです。この音楽祭のために、日本から音楽家達が来訪する他、日本の障害児が描いた動物の絵が描かれたグランドピアノが送られてきていて、このピアノは音楽祭においてお披露目されてそのままゴレ島に寄贈されることになります。
本使としては、このように両国間で文化交流が活発化することは日セネガルの関係を更に深めるものとして心から歓迎します。
 
これから夏に向けて様々な分野で活動が活発になりますので、大使館もしっかり仕事をしていきたいと思います。
 
 
2 大使館からのお知らせ
○2024年5月、6月の休館日のお知らせ
  5月1日   メーデー
  5月9日  キリスト昇天祭
  5月20日  聖霊降臨祭翌月曜日
  6 月17日 ※犠牲祭
※:イスラム教の休日のため変更の可能性あり。
 

3 寄稿  ~渋谷朋子 UNICEF西中央アフリカ地域事務所 地域教育アドバイザー~
UNICEF西中央アフリカ地域事務所で、西はカーボヴェルデから東はチャド、北はモーリタニアから南はコンゴ民主共和国を含む24カ国におけるUNICEFの教育分野のアドバイザーを務めている渋谷朋子と申します。今回は現職に至った経緯や仕事内容を細やかですが紹介させて頂きます。
 
学生時代はジャーナリズムを専攻していて開発分野に関しては殆ど知りませんでした。大学卒業後最初の数年は日本で英字新聞記者として、社会や教育分野の取材に駆け回っていました。当時、日本では「ゆとり教育」を含む改革が打ち出された為、それを先駆けて実施している学校に取材に行ったり、文部大臣の記者会見に参加したりなど、学びながら記事にする毎日でした。しかし同時に、家庭内暴力で殺人に至った事件の法廷取材や精神的に病んだ子どもが他の子どもを殺してしまった事件を追っている内に、「日本の社会はいつからこんなになってしまったのだろう?」という疑問が頭をもたげて来ました。そんなある日、通勤電車の中で青年海外協力隊のポスターを見て、「開発途上国に赴任したら、もしかしたら開発の過程で見失った大事な何かがわかるかも知れない」と短絡的に思い付いて応募し、1999年にガーナの村に赴任しました。
 
ガーナでは首都・アクラから60キロ北上した人口2500人の村の職業訓練校に赴任する予定でした。しかしその村に着いてみると、職業訓練校とした形では存在せず、石工士のおじさんに3-4人の弟子が付いて廻って学びながら仕事を手伝っているだけでした。それでも2年間務めなきゃいけないので、何をしようかと困りつつ村の人達と話していると、その地域は中学校以降の教育機会はない為、暇と労力を持て余している青少年達が多数いるのが問題、だから高校がなくても学べる場が必要、との事。そこで、本来の職業訓練校のアイデアに戻り、それを実現する為の計画を村人達と練って、それに沿ってまずはボランティア教員を村内で募り、次は周辺の村々を回って生徒集め、そしてアクラの職業訓練校から教育課程やセコハンの資材を入手して、まずは生徒30人位と青空教室で始めました。噂が噂を呼び生徒数はどんどん増え続け、青空教室では続けられなくなった為、ガーナの日本大使館から草の根無償資金を頂いて、生徒と村人で手作りながらも立派な校舎を建てました。その落成式には、当時の日本大使とガーナの職業訓練省の大臣も参加して下さり、その地域では歴史的な日となりました。そして何より、始めは目的なく暇を持て余して徘徊していた村の青少年達が、その2年の間に生き生きと活発に成長していく様子に深く感銘を受け、今後もアフリカの教育分野に携わって行こう、と決めました。
 
その後まずは教育分野での修士号を取り、修士論文の為にマリで現地調査をした際の縁で、大学院後はマリのNGOとUNESCOでコンサルタントとして務めた後、2005年にJPO制度でUNICEFブルンジ事務所に教育担当官として赴任。以来、モザンビーク、ギニアビサウ、ブルキナファソ、ニジェール、再度モザンビークに赴任した後、2023年8月より現職に至ります。ブルンジでは内戦直後で、半壊している様な教室の中でも一生懸命勉強に励んでいる子ども達を見て感動し、モザンビークではサイクロンで学校が吹き飛んでしまった後も木陰教室で授業を続ける先生と生徒達に胸を打たれました。ギニアビサウでは日本政府からの支援で小学校教科書を史上始めて全国配布した際、生まれて初めて教科書を手にできて大喜びして歌って踊っている生徒達の笑顔は今でも鮮明に覚えています。ブルキナファソとニジェールでは女子や未就学児、障害児や紛争地帯の子どもの教育を支援し、それまで学校に通えなかった子達が嬉しそうに学んでいる様子にやり甲斐が倍増しました。
 
そして今の仕事に至ります。世界でも教育水準が劣っているこの地域では、10人の10才児中、3人は学校に通えず6人は通っていても充分に学べていず、結果1人しか学年相当の読み書き計算が習得できていない状態です。そんな中、UNICEFは各国の教育政策支援とその実施を僻地や貧困度が高い地域や人道支援が必要とされている地域の子ども達の支援をしています。私の仕事はこの地域全体のUNICEF教育分野の方向性を提案したり、各国の事務所から指示・支援を仰がれた際に対応します。例えば去年は、コンゴ民主共和国の東部の反政府グループが支配している一帯の学校が1年以上閉鎖している為、出張を要請されました。実際そこに辿り着き学校を訪問してみると、教員や地域住民達が「これ以上長く我々の子ども達から教育機会を奪わしてはいけない」と自力で学校を再開していたので、我々は州都の教育局と交渉して再開していた学校を支援する許可を取得する事ができました。
 
この様にアフリカの教育分野に携わり気付けば25年になります。今年アフリカ連合が史上初「教育の年」と宣言しました。これを機に西中央アフリカ諸国も一層教育に力を入れて、一人でも多くの子ども達が学べ自己実現できる一助になれたら本望です。
 
 
4 領事便り
  領事の竹村です。このたびセネガルの勤務を終え、5月第一週を持ちまして離任することとなりました。初めての領事経験であったところ、在留邦人の皆様にご迷惑をかけることも少なくなく、改めてお詫びいたします。また、皆様には仕事・生活の両面で支えていただきましたところ、深く御礼申し上げます。
  私の在任中の2年間は暴動・デモ続きの日々だった印象でしたが、今年の3月を過ぎるとデモすらなくなり、今では街もすっかり平和な雰囲気になりました。まるで私が疫病神であったのではないかと錯覚してしまいますが、平和になったなと緩んでいると事件・事故に遭ったりしますので、皆様、今一度気を引き締めていただいたうえ、セネガルを満喫してください。
  なお、4月末に私の後任となる野中領事がセネガルに赴任しました。慣れない土地と仕事から、色々とご不便をお掛けすることがあるかもしれませんが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 
○国外転出者向けマイナンバーカード
本年5月27日から、在外公館において国外転出者に対するマイナンバー交付事務が開始されることとなりました。
手続きの詳細については現在調整中であり、総務省による政省令改正が終了次第、広報される予定となっております。
 
 
5 政治・経済
○伊澤大使によるセネガル北西部訪問
4月15-17日、伊澤大使はセネガル北西部を訪問し、経済協力プロジェクトの現場視察し、マタム州・タンバクンダ州の現地情勢を視察するとともに知事との会談を行いました。
ムボロビラン村の訪問:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02EUJt8t8HCX3zZxZM9744zpmYFQaFvKjSnkg7rZN7MNwEKafZNfbYFTSbmHeJs2WDl&id=100078921276471
州知事との会談
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02j4E94M7nwR9mY7UPi47QwAsUQSn4GC9hCJjWqN7sgyefG7XGYaEYCtRjMxFeGaWYl&id=100078921276471
 
○日本企業連絡会の開催
4月9日、セネガルと関連する日本企業との連絡会を開催し、新政権の発足後の日セネガルの経済活動等について意見交換しました。
(当日の様子:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0a8npoL5mko6gshBiNZ1AhPyDMDYxuDZSwo5YkmWuSVZyFjvwyDzDYMmsUHBtbPLrl&id=100078921276471
 
○伊澤大使によるジョップ産業・通商大臣の訪問
4月23日、伊澤大使は、ジョップ産業・通商大臣を表敬訪問し、二国間経済関係について意見交換を行うとともに、来年の大阪・関西万博の開催に向けて協力していくことを確認しました。
(当日の様子:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02SC2riHbZNeJT1XS8vnuovNv6sxtmRt8x7tRBcTzT9AozyiGpPwrX5Cm7PrMyx7hel&id=100078921276471
 
○ビントゥー・クジャビ・ジャロウ 在名古屋ガンビア共和国名誉総領事への在外公館長表彰伝達式
ジャロウ在名古屋ガンビア共和国名誉総領事に対し、伊澤大使から、在外公館長表彰が授与されることになり、同表彰は4月22日に東京にて堀内アフリカ部長により、ジャロウ名誉総領事に転達されました。
(伝達の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01430.html
 
○ババカール・セック前セネガル・日本職業訓練センター(CFPT)校長の旭日双光章受賞
4月29日、日本の内閣府は、令和6年春の外国人勲章受章者を発表しました。今回の叙勲は、職業・技術訓練を通じて、日本とセネガル、日本とアフリカの関係強化に多大な貢献を称えて授与されるものです。
(詳細:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01433.html
 
○当館が所掌する4か国(セネガル、カーボベルデ、ガンビア、ギニアビサウ)の政治経済関連の一般情報は、毎月上旬に当館のHP「セネガル基礎情報」及び「新着情報」に「在セネガル大使館月例報告」として掲載しております。ご関心のある方は以下のリンクをご参照ください。
(参考)月例報告:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01078.html
 
 
6 広報・文化便り
○第18回日本国際漫画賞の作品募集
第18回日本国際漫画賞の作品募集が始まりました。漫画を描く方、知り合いに漫画家がいらっしゃる方等みなさまの応募をお待ちしております。
(応募の詳細:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01149.html
 
○能楽師・大倉正之介氏による日本の伝統芸能紹介イベント
4月12日、大倉正之介氏(能楽師・大鼓奏者、重要無形文化財総合認定保持者)、及びラティール・シィ氏(セネガル太鼓奏者、1995年より日本を拠点に活動)の当地訪問の機会に、日本の伝統芸能を紹介するための音楽イベントが開催されました。
(当日の様子:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01429.html
 
○2025年度国費外国人留学生の募集
2025年度国費外国人留学生の募集を開始いたしました。お知り合いに日本留学を希望される方がいらっしゃいましたら、ご案内ください。
(応募の詳細:https://www.sn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01155.html
 
○日本ポップカルチャーイベント「マツリダカール」の開催
5月25日(土)に日本ポップカルチャーイベント「マツリダカール」が開催されます。有料ですが、どなたでも参加できますので、ぜひご参加ください。大使館・JICAもブースを出します。
・日時:2024年5月25日(土)10時~21時
・会場:Place du Souvenir Africain
(チラシ:
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02ieXczNLhUuBJiG4hwk4dAxB8nzRaaqJ6BHuTgbZ6TQUdpmaarn9y28MnmyEbBwRPl&id=100078921276471
 
○世界子ども平和音楽祭inゴレ島
6月1日、一般社団法人日本未来支援機構の主催で、「世界子ども平和音楽祭inゴレ島」が開催されます。日本人の音楽家の出演が予定されています。
・日時:2024年6月1日(土)
・会場:ゴレ島
・参加無料
・プログラム
  15:00-19:00 ブース展示
  17:00-18:00 平和音楽祭
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02AycnG9BBBVHj2h6nBLQduqNZ2YuhpArQn2Ard8eBnmjgPqxqXF38s6sUzH47RxDul&id=100078921276471
 
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○参考ホームページ
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